新型コロナウイルスの感染予防対策、また、近年における働き方の変化を受けて、オンラインで行なわれるセミナーが、急速にその数を増してきました。セミナーだけにとどまらず、様々な目的や用途で設定されるウェビナーは、今の時代、広報活動に不可欠な手法となっています。このような時代背景の中、今後、ウェビナーを始めたい、利用したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウェビナーを行うメリットや、方法、また、そこで配信される内容や利用する際のポイントなどを解説していきたいと思います。
ウェビナーとは
ウェビナーとは、「ウェブ(Web)」と「セミナー(Seminar)」を組合わせた造語で、インターネットのオンライン上で行うセミナーのこと、または、そのツールのことを言います。
ウェビナーは、会場に参加者を集めて開催していた会社説明会や講演会、社長の年頭の挨拶や新商品の発表会などを、Web上のバーチャルな「会場」で行うことにより、参加者がわざわざ会場まで足を運ばなくても済むなど、数々の利点を持っています。
ウェビナーとWEBミーティングは違う
ウェビナーとWebミーティングを混同して理解している人も多いのではないでしょうか。実は、この2つは利用目的が違います。
●Webミーティング
Webミーティングとは、別名Web会議とも言われ、全ての参加者が双方向でやり取りできるコミュニケーション手段です。1人対1人の打合せから大人数の会議まで、お互いの顔を見ながら対話できるため、取引先とのミーティングや社内・部署内、グループ内でのミーティングに最適です。
●ウェビナー
一方、ウェビナーは、「主催する側」と「参加する側」という二つの立場に分かれます。主催者側のメンバーは発信している画面や音声を共有でき、誰が参加(視聴)しているのかを確認できます。また、リアルタイムで投票やアンケートなどを取ることも可能です。質疑応答ができる場合もありますが、基本的には一方向に情報配信する仕様となっているため、講演会や研修会などに適していると言って良いでしょう。
広報担当者のウェビナー活用方法5選
それでは、企業がウェビナーを開催する際に、どのような内容を配信するのか、について解説します。ウェビナーはその特性上、限られた用途にとどまらず、幅広い活用ができるという特徴を持っています。
1.セミナー
ウェビナーを利用するもっとも代表的な例は「セミナーの開催」です。これまで会場に参加者を集めて開催していたセミナーを、オンライン上で開催します。会場がオンライン上に設定されるため、人数制限することなく開催することが可能です。使用するツールによっても異なりますが、最大参加人数を気にせず開催できるのが利点でもあります。また、物理的な会場を押さえる必要がなく、展示物の準備なども最小限に抑えられるため、開催回数を気にすることもありません。
2.記者発表会
近年は、メディアの記者向けの発表にウェビナーを利用するケースも増えてきました。記者向けに行う新製品発表会や、新しいサービスの説明会、社会貢献事業や業務提携の発表など、ウェビナーは多岐に渡って利用できるのが特徴です。
記者にとっても、わざわざ会場に移動する必要がなく、時間と交通費の節約ができ、同じ日であっても複数の発表会に参加することができます。また、遠隔地の企業が主催する発表会にも参加でき、地域差のない情報収集ができるのです。
3.採用説明会
ウェビナーの利用法として、近年、採用説明会が定着しつつあります。従来は会場に人を集めて開催されることが多かった採用説明会ですが、インターネットの普及とともに、オンライン化されたウェビナーの利用が急速に増えています。新卒採用・中途採用を問わずに活用されている点も特筆すべきポイントです。
ウェビナーを利用した採用説明会は、採用する企業側にとっては、地域を隔てた全国的な展開ができ、応募を考えている求職者側も、物理的な移動が生じないため、気軽に参加し、企業情報を得ることができるのです。
4.社員総会
社長の年頭のあいさつや、組織改編の発表など、社員を一堂に会して行われる社員総会にも、ウェビナーが利用されるケースが増えています。社員全員が同じ時間に同じ場所に集まる必要がないため、従来の業務が停滞することなく、手軽に参加できるというメリットがあります。
また、Web上に画像や動画などを使った演出を展開することができ、情報内容を分かりやすく伝えることができます。さらに、遠隔地の支社・支店の社員も移動せずに参加できるため、コストの削減にも寄与します。
5.株主総会
株主総会もまた、ウェビナーによって行われるケースが増えています。株主や投資家、役員の方々に対するコロナウイルスの感染防止といった配慮や、日々多忙を極めているステークホルダーの方々に出席し、参加してもらう機会を作り出すという効果もあります。
最近では、ウェビナーで行う株主総会専用のシステムやツールが続々と登場しています。これらは、株主を認証する本人確認のシステムや特定のファイルを開く認証コードなど、参加者を限定する機能を備えていて、企業の機密漏洩を防止する対策が盛り込まれています。
ウェビナーの配信方法は?
ウェビナーは、どのような方法で配信すればいいのか、詳しい内容について見ていきたいと思います。ウェビナーを利用するメリットは、主催者側の状況や都合に合わせて配信方法を選べることです。
配信方法1.リアルタイムで配信する
ウェビナーを配信する最も代表的な形式は「リアルタイム配信」です。名前の通り、セミナーや講演会を生放送する方式です。配信がリアルタイムで行えるため、ここ数日の社会情勢の変化や事象などをフレキシブルに組み込むことができます。
また、チャット機能や質疑応答のシステムを使うことで、参加者とリアルタイムでコミュニケーションを取れるという利点を持っています。こうした構成は、臨場感を盛り上げ、視聴者の参加性を高めるといった特徴を兼ね備えているのです。
配信方法2.オンデマンドで配信する
一方で、ウェビナーを配信する形式として、「オンデマンド配信」があります。これは、予め収録しておいた動画(映像)を視聴者が見たい時に見ることができるという形式です。一度リアルタイム配信された映像をそのまま録画し、オンデマンド配信の素材にするケースと、オンデマンド配信専用の構成で新たに制作するものと、二つのタイプがあります。
広報ウェビナーの開催手順
最後に、広報担当者が知るべき、ウェビナー開催までの代表的な開催手順をご紹介します。
①配信形式を決める
②配信する場所や機材、スタッフを確保する
③全スタッフの役割分担を決める
④集客のための告知をする
⑤配信時のログインURLを送付する
まとめ
今回の記事では、ウェビナーの配信方法や開催までの手順などを解説しました。ウェビナーは働き方の変化や社会のトレンドにマッチしているため、今後、さらに定着していくでしょう。セミナーや説明会の効率化を考えている広報担当者の方は、この機会にぜひ、ウェビナーの利用を考えてみてはいかがでしょうか。目的と利用方法を十分に理解し、効果的なウェビナーの利用を実現してください。