広報業務の効率化と方法!充実した広報活動のための業務改善4ステップ
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2023.03.31

広報業務の効率化と方法!充実した広報活動のための業務改善4ステップ

近年、IT技術の発達によるリモートワークや、ライフワークバランスへの取組みなどにより働き方が変化しています。

そんな中、業務の効率化や業務改善を行う企業が増えてきています。しかしながら、「業務の効率化」をどのように進めたらいいかが分からず、かえって業務が煩雑になってしまったというケースも散見されます。

そこで今回の記事では、業務を効率化させるための方法やプロセス。そして、広報業務をよりスムーズに進行させるための具体的な施策などを解説していきたいと思います。

業務の効率化が必要な部署とは

業務の効率化を目的とした業務改善は、業務の3M(ムリ・ムダ・ムラ)をなくすことが基本です。特に次の特徴に、ひとつでも当てはまる部署は、早急に業務改善を行い、効率化を進める必要があります。

スケジュールが過密で、仕事量が多いため長時間労働になってしまう(ムリ)

形式上だけの作業や不必要な確認・チェックが多い(ムダ)

部署内の特定の人にだけ仕事が集中している(ムラ)

これら3項目の中で、一つでも当てはまる部署は、早急な業務改善が必要と言えます。「私の部署は大丈夫」と思っていても、もう一度、状況を確認してみてください。

 

効率化のための業務改善4つのステップ

効率化のための業務改善には、基本的な4つのステップがあります。これから業務改善を始める担当者の方は参考にしてみてください。

ステップ1.現状の業務を見直し、把握する

まず最初は、業務の現状(進行具合い)を把握するところから始めましょう。誰が、どのような業務を、どれだけの時間をかけて、どのくらいの頻度で行っているかなどを、できるだけ詳細に調べて整理します。部署内における業務の全容が把握できれば、問題点や課題が見えてきます。

ステップ2.問題点や課題を洗い出す

部署内の現状が把握できたら、業務を行う上での問題点や課題を洗い出します。業務が単純作業の繰り返しだったり、属人化している業務が多かったり、不必要な会議や確認が多かったりする部署は、「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」がある可能性が高いと言えます。

ステップ3.業務改善の方法を検討し、実施する

次は、効率化を実現するために、どのような業務改善策を用いるか検討します。業務の手順を変えるだけで効率化できるケースがあったり、重複している業務を一つに統合することで効率化できる場合もあります。業務改善を実行する際は、その施策を決め、スケジュールを立てて、部署内で共有します。部署内の部員全員で問題意識を持って、積極的に取り組むことが、早期の効率化実現につながります。

ステップ4.効果を検証し、さらなる効率化を目指す

業務改善策を実施した後は、必ず効果の検証を行いましょう。効果の検証では、これまで抱えていた問題点や課題がどの程度改善されたか、実際の数値で確認します。一度の実行ですべてが改善できるとは限りません。効果が思わしくない場合は、別の改善策を検討することも必要です。

 

業務改善の施策を作る3つのヒント

業務改善策を決めていく過程では、部署内でいろいろな意見を出し合うことが大事です。次にあげる3つのポイントをテーマに、アイディアや意見を出し合い、具体的な施策へと落とし込みましょう。

施策1.その業務が自動化できないかどうかを考える

毎日繰り返して行うような定型業務は、自動化できる可能性があります。そのような業務には、システムの導入やツールの活用で対応できます。業務の自動化は、これまで仕事に当てていた時間や人件費などを省き、他の業務に振り分けることができるのです。

施策2.仕事の量と成果が見合っているかを考える

作業の数や量が極端に多いわりには、大した成果が出ていない業務もあります。そうした業務は、いっそのこと無くしてしまうことも考えた方が良いでしょう。その業務の重要性とコストパフォーマンスの両方を考慮して、業務の効率化を図ります。

施策3.業務の簡素化を考える

改めて業務を見直すと、複数の人が別々に同じ作業をしていたり、類似した作業が多く存在したり、業務上のムダを発見できるケースがあります。そのような場合には、作業の統合や縮小などの簡素化を行い、全体の業務の効率化を図ります。部署内でそれぞれの人が別々のフォーマットを使用していたら、フォーマットを一元化し、共通のテンプレートを作成します。

 

業務改善の施策例

業務改善は、自分たちの部署が抱える問題点をきちんと把握した上で、適切な改善策を選定し、一つずつ、段階を踏んで実行しましょう。以下、具体的な施策の例をあげておきます。

画像や動画の素材などを整理する

画像や動画などの素材は、部署内共通の場所に収納することで、他の部員が素材を探す手間が防げます。

業務のマニュアル化を進める

誰にでもできる単純作業は、マニュアルを作ることで効率化が図れます。

業務の外注を考える

データ入力や、クリッピングなど手間のかかる業務は外部に業務委託することで、部員のリソースを別の業務に生かせます。

業務を自動化できるシステムやツールを導入する

コミュニケーションを円滑にするためのツールや、業務を可視化するタスク管理ツールなど、目的に合ったツールを使うことで改善が効率的に進みます。

 

業務改善を成功に導く3つの重要ポイント

業務改善案を策定したら、次はいよいよ実施に移ります。そこで、効率化を成功させるために必要な3つのポイントを紹介します。

①部署内の全員に業務改善の実施を周知する

部署内の全員に、なぜ業務改善が必要なのか、なぜ効率化しなければならないのか、を説明し、業務改善の目的と手段を共有します。業務改善には、部署内の全員の協力が必要です。部署内で一丸となっての取り組みが、早期の業務効率化を成し遂げます。業務改善に集中するあまり、本来の業務が疎かにならないよう、注意喚起も心がけましょう。

②部署内の現場にヒアリングを行う

業務改善を実施していく中で、実行している施策が必ずしも良い結果を生んでいるとは限りません。実際に現場で業務を行っている部員に、業務改善の現状をヒアリングし、新たな問題点が発生していれば、改善策を再度検討する必要があります。業務改善にはフレキシブルに対応することが重要です。

③全ての改善策を強行しない

業務改善は、全ての施策を一度に推し進めると、効率化とは反対の結果になってしまうことがあります。業務改善は、すぐに結果が出るものではありません。各部員が本来担当している業務の負担にならないよう、現実的で段階を踏んだ施策を立て、現状を見ながら実行することが大事です。

 

まとめ

今回の記事では、効率化のための業務改善行う意義や手順、具体的な施策や実行時のポイントなどをご紹介してきました。広報業務はマニュアル化が難しく、また属人化しやすいという特徴があります。部員一人に大きな負担がかかっているというケースも多いでしょう。でも、多岐にわたる雑多な業務を整理し、改めて見直してみることで、効率化できる箇所が必ず見つかるはずです。

業務の改善と効率化に向け、部署全員で同じ目的意識を共有し、改善策をひとつずつ実行していきましょう。すぐには結果は出ませんが、業務の効率化を成し遂げて、企業の生産性や部署のモチベーションアップにつなげてください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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