メディアタイアップとは?タイアップとコラボレーションの違いも解説
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2023.03.31

メディアタイアップとは?タイアップとコラボレーションの違いも解説

企業や団体が行う、商品やサービスのマーケティング戦略としてよく目にするのが、複数の企業によるタイアップ企画です。

キャンペーンやイベント、広告など、さまざまなジャンルで行われているのが実情です。でも、企業間でタイアップを行うと、どのようなメリットがあるのか、今一つ理解できていない広報担当者もいるのではないでしょうか。

タイアップの本質やメリットが理解できていないと、当然、広報活動を行う際、企画も提案もできません。そこで今回の記事では、企業が行うタイアップ企画の意味合いとメリット、そして、広報担当者が知っておきたいタイアップの本質と効果について解説していきたいと思います。

タイアップとは

タイアップとは、複数の企業や団体、あるいは、その企業や団体が所持するコンテンツと提携して、企業や団体がマーケティング活動を行うことです。タイアップの語源は、「tie-up(結びつく)」という意味の言葉で、ビジネス業界においては「協力する」や「提携する」という意味で使われています。タイアップの主な目的は、企業・団体の知名度アップや売り上げの向上、そして、ファンの育成や新規顧客の獲得などです。

*リンク:タイアップの意味とは?

タイアップは、実施するコンテンツや施策、連携先によってさまざまな形態があります。連携先の例としては、企業や団体、そのブランド、商品、メディア、有名人、アニメ、などがあげられます。

 

タイアップとコラボレーションの違いとは

タイアップと似た言葉として「コラボレーション」というものがあります。どちらもビジネスシーンで多く使われ、同じようなマーケティング戦略に見えるため、混同されやすいのですが、実は、この両者は全く意味合いが違うものなのです。広報担当者は、この違いを理解し使い分けることが必要です。

●タイアップ

タイアップは、提携する企業や団体の中に、必ず主体となる企業や団体が存在します。主体となる企業や団体が、自社の知名度アップや売り上げの向上、新規顧客の獲得といった目的を達成するために行うマーケティング戦略上の施策です。自社の利益のために、タイアップ先の企業や団体が持つコンテンツを活用するのがタイアップです。

●コラボレーション

コラボレーション(collaboration)は、企業や団体同士が対等な立場で共同してプロジェクトを推進するマーケティング活動です。企業や団体が持つそれぞれのコンテンツ、特徴、強み、長所、価値を提供し合い、掛け合わせることで、新たな経済的価値を創出することを目的とします。

*リンク:コラボレーションの意味とは?

近年は、「タイアップ」という言葉が販売促進や広告といったイメージに捉えられる傾向があるため、あえて「コラボレーション」という言葉を使って広報活動を行うことも多いようです。しかしながら、企画や交渉の段階においては、両者の違いをしっかり理解して提携の話を進めないと、連携先との関係にズレが生じたり、プロジェクトが立ち止まってしまったり、さまざまなトラブルが起こる危険性があるので、両者の違いを十分に理解し、自社の目的に適する連携形態を選ぶことが必要です。

 

メディアタイアップの3つのメリット

タイアップのメリットは、ユーザーの目線で情報発信ができることです。ここでは、企業がタイアップ企画を実施する際に得られるメリットを3つご紹介していきます。

①ユーザーからの信頼を得られる

タイアップは、自社のブランドに対するユーザーからの信頼感をアップさせるという効果があります。自社だけで行う広報・広告戦略は、どうしても「売ること」を主目的とした一方的な情報発信になりがちですが、他社との連携で行われるタイアップは、自社の商品やサービスの特徴、セールスポイントを連携先の企業が第三者の目線で発信してくれます。こうした第三者からの客観的な情報発信をユーザーは信頼できる情報として受け取ります。特に、広告記事などメディアとのタイアップでは、この効果が大きいとされています。

②話題性のある訴求ができる

タイアップを行うことで、自社単体ではできない話題性のある施策が可能となります。連携先の企業や団体、人物の特性をフーチャーすることで、時代のトレンド、社会情勢、独自性といった面でユーザーの興味を引くインパクトのあるコンテンツを作り上げることができるのです。近年、話題になった例としては、人気アニメやゲームとのタイアップがあげられます。

③自社の業界と異なる新しいユーザーを獲得できる

タイアップの実施は、自社の業界におけるターゲットと異なる新たなユーザーへのアプローチを可能にしてくれます。自社のターゲットと、連携先の企業や団体のターゲットの属性は同じではありません。タイアップを実施することで、連携先のターゲットに対しても自社の商品やサービスを知ってもらうチャンスを作ることができるのです。

 

タイアップを進める5つの手順

タイアップ企画を成功させるには、まず、自社内における事前の準備が重要です。それでは、タイアップ企画を成功させるための進め方を、5つのステップで解説します。

①目的とゴールを設定する

まず最初に、タイアップを行う目的と目標とするゴールを設定します。タイアップは、企業の事業目的を達成するためのマーケティング戦略です。目的とゴールを明確にしておかないと、効果を測定することも、振り返りや検証をすることもできません。目的とゴールを決めることは、タイアップ企画を進めていく上でのベースとなり、プロジェクト進行中に、初心に立ち返る軸にもなるので、しっかりと文書化し、関係者全員で共有することが必要です。

②タイアップの連携先の選定

タイアップの連携先は、その企業や団体のイメージだけで判断せず、実績や数値を参考にして検討することが大事です。その企業や団体のターゲット層や過去のタイアップ例、プロモーション活動の実績など、企業のホームページやメディアデータから分かる情報を基に検討してください。

③企画の立案

連携先が決まったら、次は、具体的なタイアップ企画を立案します。企画内容と共に、次のような項目も決めていきます。

  • KPIの設定
  • 実施までのスケジュール
  • 制作物や準備する物のリスト化
  • 定例会議の設置など連携先とのコミュニケーション
  • 連携先からの成果物のチェック

④必要なツールの制作と情報発信

続いて、タイアップ開始に向けて、必要な制作物や情報発信の準備をします。スケジュールを守って進行できるように、連携先や関係部署との協力体制を強化します。

⑤効果を測定する

タイアップ企画終了後は、目的とゴールが達成できたのかを検証します。③で決めたKPIに基いて効果測定を行います。次回に活かせる点、反省すべき点、次の展開へのヒントなど、今後の広報戦略に役立てましょう。

 

まとめ

今回の記事では、タイアップの意味や進め方、成功のポイントなどについて解説してきました。タイアップは、連携先の企業や団体との細かい調整が必要なため、企画から実施まで長い時間がかかってしまう場合があります。また、アニメキャラクターや著名人などとタイアップする場合は費用が発生するため、費用対効果についても入念に検討する必要があります。目的とゴールを設定し、成功に向けたタイアップ企画を立てましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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