広報活動の第一歩はこれ!改めてホームページの役割を見直そう
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2023.04.14

広報活動の第一歩はこれ!改めてホームページの役割を見直そう

今では、多くの企業が自社のホームページを持ち、そこで様々な情報を掲載し、社会に発信しています。

私たちも、あって当たり前という認識で、何気なく見て来た感がありますが、実はこのホームページ、広報活動において中心的な役割を持っているのです。今回の記事では、ホームページの持つ広報ツールとしての基本的な役割と、上手な運営の仕方について解説していきたいと思います

 

ホームページとは

広報環境

先にも述べた通り、ホームページは「コーポレートサイト」とも呼ばれ、企業の情報を外に向けて発信するWebサイトです。(同時に、社内に向けて発信する意義も併せ持っています。)

プレスリリースの配信や、取材への対応、社内でのヒアリング、メディア関係のリスト作成、など広報担当者の業務は山ほどあります。でも、一番身近で、いつでも手が付けられるホームページの見直しは、案外と軽視されています。しかし、ホームページは「コーポレートサイト」とも呼ばれ、実は、企業の広報活動の中心をなすツールなのです。

企業における広報担当者は、まず、

自社のホームページがどうなっているのか
その運営方法は正しいのか
そもそもホームページとは何なのか

を改めて考えてみる必要があります。

 

広報視点での具体的なホームページ対策

ホームページに掲載される代表的なコンテンツは次の6つです。

①会社のフィロソフィ (社長からのメッセージといて掲載されるケースが多い)

会社のビジョン、経営方針、社会的なミッションなどを伝えるコンテンツです。会社の方向性に共感してくれた訪問者がファンになってくれる可能性を引き出します。

②会社概要 (会社名、代表者名、沿革、所在地、資本金、設立日、事業内容)

上記の他に、社員数、役員名、主要取引先、取引銀行名などを記載する場合もあります。

③最新情報 (新商品発売や新サービスの開始などの最新ニュース)

Webサイトにおいて、情報の鮮度は重要な要件で、新しい情報は大きな価値を持っています。そのため、最新情報は一番目につきやすい場所にレイアウトしておくと良いでしょう。

④商品やサービスの紹介

自社が提供している商品やサービスの価値や魅力を伝える重要なコンテンツです。商品やサービスのラインナップも掲載し、用途別のバリエーションの豊富さも伝えます。

⑤IR情報 (財務や業績に関する情報、上場企業では必須)

社長や経営陣と協議のうえ、公表できる販売実績や財務状況を掲載します。このコンテンツでは、客観的な数字を明示することで、自社の将来性や可能性を訴求します。

⑥お問合せ (お問合せ専用フォームを作成、常時対応が原則)

ユーザーを含めたステークホルダーたちと、双方向のコミュニケーションを構築するための大事なコンテンツです。新規取引の窓口でもあり、ビジネスチャンスを大きく広げるチャンスを秘めています。

⑦その他の機能

これらの他に、以下があります。

●採用情報 (リクルート関連)

求人票だけでは分からない会社の文化や社風などを伝えることによって、求職者に、より会社を理解してもらいます。

●個人情報保護方針 (プライバシーポリシー、Pマークの取得表示など)

個人情報を扱う業務を行っている企業は、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)の公表をすることで、企業の信頼度を高めます。

●自社が運営するSNSへの誘導

自社で運営・管理しているSNS(TwitterやFacebookなど)への誘導バナーを貼っておくと、立体的な情報発信ができます。

●サイトマップ

ホームページのサイト上に、どのようなコンテンツがあるかを知らせるためのものです。

 

PR戦略としてのホームページの役割

では、次にPR戦略の1つとしておホームページの役割について見ていきましょう

ホームページは、自社がどのような会社で、どのような商品・サービスを取り扱っているのか、どのような社風なのか、などの情報を発信する役割を持っていますが、ここでは、その役割における3つの大きな目的を解説していきたいと思います。

①ユーザーに自社の商品やサービスの情報を伝える

自社商品やサービスを紹介し、他社商品との差別化ポイント(魅力)を伝えるだけでなく、その商品・サービスを提供するに至った背景、企業のフィロソフィとの連動制、ネーミングの由来、なども併せて発信すると、ユーザーたちに興味と関心を持ってもらうことができ、ファン作りに大きな効果があります。

②株主や投資家などのステークホルダーに自社の企業価値を伝える

自社が上場企業であった場合、株主や投資家などのステークホルダーに向けて経営情報を伝えることもホームページの重要な役割です。株主や投資家などのステークホルダーにとってホームページは、資本投下や共同事業の可否を判断するための情報を得る貴重な場所となっているのです。

③新卒を初めとする求職者に自社で働くメリットを伝える

新卒を初めとする求職者に対しては、ホームページの会社情報を通じて「この会社で働きたい!」と思ってもらうきっかけを作る役割を持ちます。募集人数や応募資格、勤務時間や年収などの基本情報だけでなく、実際に、現在働いている社員たちへのインタビューなども交えると、より自社への親近感を持ってもらうことができます。

このように、広報活動の有効なツールとして利用できるホームページですが、サイトを制作する時や運営していく時に、注意しなければならないポイントもあります。

 

ホームページ運用時に気を付けなければならない注意点

続いて、ホームページの運用における留意点を2つ見ていきましょう。

①一貫性を持つ

時系列で見て、発信する複数の情報に相互矛盾やズレが生じてはなりません。それぞれ異なった情報でも、その根底には企業の方針やビジョンがあるはずです。また、ホームページ内の各ページの配色やレイアウトにも一貫性、整合性が必要です。(コーポレートカラーを上手に使い、見やすいレイアウトを心がけましょう。)

②まめに情報を更新する

企業のホームページが何か月も更新されずに古い状態のままだと、経営状態が悪いのではないか、ユーザーを大切にしていないのか、など、企業に悪いイメージが定着してしまいます。こまめなホームページの更新は、ユーザーやステークホルダーに信頼感や安心感を持ってもらうために大事な作業です。

 

ホームページの効果測定をしましょう

ホームページが順調に運営されるようになったら、各部門と連携しながら広報担当して効果測定をしてみましょう。

ホームページへの来訪者数、閲覧時間、お問合せ数、などを定期的に一定の期間で区切り、数値を算出して、ホームページの効果を測ります。新商品の発売時やキャンペーンの展開時期などと照合しながら、データ分析すると、広報ツールとしてのホームページの効果が分析できます。効果測定のツールとしては、Google社が無料で提供している“Google Analytics”などがあるので、利用してみるのもいいでしょう。

 

最後に

今回の記事では、広報活動の基本的なツール、ホームページ(コーポレートサイト)の運用と、その場合の留意点について解説しました。これだけ押さえておけば、広報活動の第一歩はクリアできます。ユーザーだけでなく、社内外のステークホルダーにも効果的なアプローチができる、充実したホームページを作成・運営して、広報活動に取り組んでみてください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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