ひとり広報担当者になったら?把握しておきたい7つの基本STEP!
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2023.03.28

ひとり広報担当者になったら?把握しておきたい7つの基本STEP!

中小企業やスタートアップ企業によく見られる傾向ですが、いきなりひとりで広報活動を遂行するのは、正直、並大抵のことではありません。

そこで今回の記事では、あなたがひとりで広報担当者になった時、把握しておきたい7つのSTEPを解説します。

ひとり広報担当者とは

「来月から広報をやってください!」「現職と兼任で広報も担当して欲しい!」。

上司からそんな要請を受けて、いきなり広報担当者になってしまった方もいるのではないでしょうか。それも、ひとりで・・・。予期せずいきなり、ひとりで広報担当者になってしまうというケースは意外に多く見られます

業務実績も申し送り書もない、頼れる上司や指導者もいない、そんな場合、何から始めればいいのか、戸惑ってしまいますよね。でも、ここは落ち着いて。当記事の内容を把握すれば、広報の必要業務をしっかり把握すれば焦ることなく行動できます。

 

ひとり広報担当者7つの仕事手順

STEP1  ひとりで広報担当になっても、ひとりだけで頑張らないことが大事

そもそも、企業の広報活動は広報担当者だけで行うものではありません。むしろ、ひとりだけで企業の広報活動を担当することは、企業にとっても大きなリスクとなります。ひとりだけだった広報担当者がいなくなった時、それまでの業務の蓄積がなくなり、ノウハウの継承ができなくなるからです。

また、誰しも得意な分野と苦手な分野があるため、ひとりですべての広報業務を完璧にこなすことはできません。基本的に、ひとりの社員が全ての広報活動を担うことには限界があります。苦手な分野は社内の他のメンバーの力を借り、相互に協力体制をとって、業務を遂行することが重要です。たったひとりで広報担当になったとしても、企業の広報活動は全社一丸となって行われることが大事です。

STEP2  コミュニケーションの伝達経路が多様化していることを把握する

今の時代、広報業務の必要性は日増しに高まっています。その理由は、企業とユーザー、社会をつなぐコミュニケーションの伝達経路が多様化しているからです。従来、企業の広報活動の主要な手段はプレスリリースで、プレスリリースを見たメディアがネタ元を取材し、媒体を通じて情報発信し、その情報をユーザーやステークホルダーたちが知る、というものでした。

しかしながら、ここ数年でその情報経路は多様化し大きく変化しました。時代のトレンドに合わせて、企業は広報ツールとしてホームページ(コーポレートサイト)、SNS、オウンドメディア、ブログ、メルマガなど多岐に渡る広報手段を利用するようになったのです。企業の広報担当者は、多様な情報発信のプラットフォームを考慮し、選別し、メディア経由だけに頼らず、自らの工夫とアイディアを駆使して情報発信していくことが必要です。

STEP3  常に、社長、経営陣とのコミュニケーションを図る

広報担当者にとって、まず、大事なのは、社長や経営陣が、広報活動を通じてユーザーやステークホルダーに何を伝えたいか、を正確に把握することです。そして、広報活動を行いながらユーザーやステークホルダーからの声を聞き、それらの声を社内にフィードバックします。

そうした外部からの意見や反応を参考にして、自社のあり方、将来に向けたビジョン、商品やサービスの開発指針などを決めていくのですが、これらの協議プロセスには、社長や経営陣の考え方や意見が不可欠であることは言うまでもありません。社長や経営陣と継続的で綿密なコミュニケーションを取り、対話を行いながら決めていくことが必要となります。

STEP4  広報活動の年間計画を立てる

広報活動の大まかな方向性や方針が決まったら、次に年間計画を策定します。各ステークホルダーごとに「いつまでに何を伝えるか」を整理し、発信した情報をどのようにチェックし、今後の改善を進めていくのかを決めます。新商品の発売予告、サービスやキャンペーンの開催時期、他社とのコラボレーション企画など、社内の組織改編や人事異動のタイミングと見合わせながら広報活動の年間スケジュールを立て、予算の配分なども行います。

「どの時点でどのような状況になっていればいいか」、「何をいつまでに達成すればいいか」、など、広報業務の目標を定めておくのも重要です。この広報活動の目標設定には、必ず、社長や経営陣のコンセンサスを取ってください。

STEP5  企画を考える

作成した年間計画を基に、それぞれの案件について企画を立てていきます。ユーザーやステークホルダーのニーズを考慮に入れ、企業が伝えたい情報やイメージを、時代のトレンド、季節の歳時記に合わせて発信できるよう企画を立てます。

企画を立てる時は、ひとりで最後まで突っ走らずに、企画途中に社長や経営陣、周囲の意見などを参考にし、フレキシブルなプランニングを心がけましょう。また、情報発信する時は、どのメディアを使用するか、どのプラットフォームを採用するかなど、広報ツールの選定やチャネルの決定も重要になります。

STEP6  広報ツールを制作する

メディアやステークホルダーに向けて、自社の基本的な広報ツールを制作し準備します。これらは、一般的に「プレスキット」などと呼ばれていますが、その内容は、企業情報、問合せ先、ロゴマークやロゴタイプ、マスコットキャラやアイコンなどの素材、過去の情報発信履歴、使用メディアとその実績などが含まれます。

「プレスキット」以外にも、チラシやパンフレット、プロモーションビデオやショートムービーなど、各案件ごとに必要となるツールもあります。それらは、社内外のスタッフに、各案件のコンセプトをしっかりオリエンテーションして、制作してもらいましょう。

STEP7  広報活動の経緯を社内にも発信し、情報を共有する

メディアやユーザー、ステークホルダーなど、社外に向けた広報活動を行いつつ、社内に向けての情報発信も進めていきます。それは、広報活動では、社内の協力と理解が不可欠な要素となるからです。社内に向けても定期的に情報発信を行い、社員全員の自社に対する愛情やモチベーションを高めるきっかけを醸成します。

 

ひとり広報のスキルアップ術

他の部署の社員同様、広報担当者にも日々のスキルアップが求められます。ただ、毎日の業務に追われてなかなか自己啓発の時間が取れなかったり、新しい知識のインプットが得られないというケースがあります。ここでは、ひとりでできる効率的なスキルアップの方法を2つご紹介します。

①セミナーへ参加する

時代のトレンドを効率的に把握することができ、新しい広報ツールなどを学習できるため、セミナーは心強い味方になってくれます。

②コミュニティに参加する

他社の広報活動を参考にしたり、今、抱えている問題点を共有できます。広報担当者同士のつながりから、企業同士の協力関係を作ることもできます。

 

まとめ

時代の変化と共に、広報担当者の役割も多様化し、その活動範囲はますます広範囲に及んでいます。そうした状況だからこそ、広報担当者は、積極的に社内外のつながりを持ち、自らのスキルを高め、トレンドに合った活動を推し進めていかなければなりません。これからの広報活動をさらにグレードアップさせるために、今回、ご紹介した7つのSTEPを参考にしてみてください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事