広報活動を成功させるカギは他部署との連携がキーポイント!広報質問箱Q&A
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2023.03.27

広報活動を成功させるカギは他部署との連携がキーポイント!広報質問箱Q&A

広報活動をより強化し充実させていくためには、社内における風通しの良いコミュニケーションを構築し、常に新しい情報を入手しておく必要があります。広報担当者は、社外と社内をつなぐ情報コミュニケーションのハブであると意識することが重要です。

他部署の業務内容を知り理解することで、各部署が活性化したり、会社全体に広報の意義と存在感を示すことができるなど、他部署との連携は大きなメリットを生みます。

そこでこの記事では、広報活動における他部署との連携の重要性を解説してみたいと思います。

 

広報が連携する意味とは?

社会(社外)に向けて自社の情報を発信する広報担当者は、社内の他部署と連携することで、常に新しい情報を把握することが必要です。他部署との連携がスムーズに行われていれば、会社全体の動きを的確に把握できるだけでなく、企業が掲げる指標に対する各部署の認識の誤差を防ぐことができます。

 

他部署との連携を強化する7つの指針

社会が変化し、働き方が変わった今、リモートワークなどの業務が増えつつあります。オンラインでの仕事が日常になりつつある中、これまで以上に「他部署が何をしているのか分からない」、「他部署とのコミュニケーションが取りづらい」と言った感覚を持つ社員も多いと思います。

社員間の物理的な距離は、精神的な距離にもつながります。そんな状況を打開するためには、積極的に他部署との連携を構築する取り組みが重要です。では、早速、広報担当者が、他部署との連携を取るために、社内の情報を集めるポイントを7つご紹介します。

①定期的に社長や経営陣との会議を企画する。

社長や経営陣は、社内・社外を問わず常に多くの情報を集めアップデートしているため、経営陣との会議は非常に情報が集まりやすい場となります。また、経営陣の考えは、現場にいると見えにくいため、直接聞くことが大事です。経営陣との会議では、情報収集するだけでなく、広報活動の意味とゴールを再確認しておくとベターです。

②他部署の組織図を作成する。

自社内にはどのような部署があり、他部署にはどのような社員がいて、どのような仕事をしているのか、改めて、しっかりと把握することが重要です。他部署のことを知り理解することは、社内の情報収集という点で非常に大事な作業と言えます。他部署の情報は広報チーム全員で共有し、広報活動に役立てましょう。

③各部署の会議に参加して議事録のまとめ役となる。

各部署の会議に参加させてもらうことで、各部署が現在何を目標にどのように動いているのかをリアルタイムで知ることができます。それらの情報を得ることで、各部署が持っている「強み」や「問題意識」が明確になり、広報活動を展開していく上でも非常に有効なデータとなります。

この時、ただ会議に参加させてもらうだけではなく、各部署の議事録をまとめる係になることをお薦めします。それが無理な場合でも、自分なりに議事録をまとめておきましょう。会議で議論された様々な事項を自分の中で整理・理解してまとめておくと、今後の広報活動に役立ちます。

④広報のミッションを社内に向けオープンに告知する。

他部署のことを知り、理解を深めるのと同様に、広報の組織情報(広報とはどんな部署で、どのような仕事をしているのかなど)を社内の各部署に向けて発信することも重要です。これは、他の部署からの理解を得て、良好なコミュニケーションと協力体制を作っていく上で非常に大切なことです。

広報の組織情報の発信は、会議の時に発表したり、社内のイントラネットを利用したり、その方法は様々ですが、社員全員がいつでも見られるような形態でオープン化することを心がけてください。

広報専用の窓口を作る

広報専用の窓口をつくることで、社内の各部署が(広報セクションに)連絡や相談しやすい環境を作ることができます。Web上のオンラインツールなどを使って、気軽にコンタクトできるチャンネルがあると、一層幅広い情報をリアルタイムで収集しやすくなります。

そして、開設した広報専用の窓口を利用して、部署間の合同ミーティングを実施したり、気軽に参加できるチャットを導入したり、他部署との連携を強化する取り組みを実施していきましょう。

⑥社内イベントを企画・運営する。

リモートワークなどの働き方が定着してきた今では、以前のように実際に人が集まる対人でのイベント開催が難しい状況です。しかしながら、「Web飲み会」や「Liveチャット」など、オンラインでもいろいろなイベントが開催できるツールが増えています。従来の形式に拘らず、オンラインを使っての社内イベントの開催も企画してみましょう。

オフラインでも、オンラインでも、社内イベントは、普段の業務で距離のある部署の社員との交流を深める絶好のチャンスです。社内イベントは、広報に取って他部署との連携を取る重要なツールになるだけでなく、社員間の親交や交流を深め、モチベーションのアップにもつながります。

⑦社内報を作成し、発信する

企業におけるインターナルコミュニケーションの基本的なツールと言えば、真っ先に社内報があげられます。社内報は各部署の情報を全社的に共有することで、社内の風通しを良くし、部署間のコミュニケーションを作るきっかけになります。

また、各部署とのコミュニケーションを構築し円滑に保つだけでなく、社内報は社内に向け、自社のフィロソフィ(理念)や経営方針の浸透を深めるという大きな役割も担っているのです。

 

どんな情報が欲しいのかを各部署に知らせる

社内の各部署との連携を深めていく上で、もう一つ大事なことがあります。それは一方的に各部署から情報を入手するだけでなく、広報担当者として、こちらから積極的に情報を発信することです。

「〇〇という新商品について情報が欲しい」とか、「〇〇というイベントの企画意図が知りたい」とか、こちらが欲しい情報を提示しておくと、思わぬところから、ピンポイントの情報が上がってくることがあります。

 

広報チームの中でナレッジを蓄積し共有する

他部署との連携が強化されたら、社内のどの人からどんな情報が得られるのか、というナレッジを蓄積していきます。そして、このナレッジを広報チームで共有し、うまく利用することで、社内の情報収集はより円滑に進みます。特に社員数の多い企業の場合、この手法はとても有効です。

部署ごとに、情報提供をしてくれるキーパーソンをピックアップして、それぞれの特徴をメモしておくと、よりスムーズに広報活動が行えます。

例えば、「〇〇さんはこの分野に詳しい」、「〇〇さんは取材を受けるのが上手」とかです。これらの特徴をデータとしてまとめておきます。

 

広報が情報のハブ的役割を持つことで企業が発展する

広報担当者はユーザーを初めとする社外のステークホルダーに対して会社の顔という役割を持つ一方で、社内の各部署の持つ情報のハブ的な役割をも果たしていかなくてはいけません。

今回、ご紹介した7つの指針を参考にして、広報担当者を通じた、全社的な情報の交換と共有を目指してください。それが実現すれば、社内全ての社員が同じベクトルを持ち、連携・連動して仕事に取り組めるようになり、その結果、必ずや、会社の発展につながることになるでしょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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