【現役記者が解説】思わず読みたくなる社内報の作り方7つのポイント!
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2023.03.25

【現役記者が解説】思わず読みたくなる社内報の作り方7つのポイント!

当記事では、社内報の目的や役割、そして、「社員が読みたくなる社内報の作り方7つのポイント」をご紹介します。

社内報とは

社内報とは、社内広報における最も代表的なツールで、社内外の情報を全社員に向けて発信する広報メディアです。企業のフィロソフィ(理念)や経営方針、自社の商品やサービス、そして、社内で進行しているプロジェクトの内容、社内イベントやセミナーの告知など、様々な情報を掲載して、社員全員で情報共有するための広報誌を社内報と言います。

 

社内報の目的と効果

作成する目的

企業における社内広報業務の中で大きな役割を担うのが社内報です。社内外の情報を社員全員に発信し、情報を共有することで、社内のコミュニケーションが促進され、円滑になります。そんな意味で、社内報は企業が活動を行うための土台となる重要なツールです。

期待できる効果

社内報は、全社員に均一な情報を伝達できること、複数の情報をパッケージにして発信できること、などの特徴を持っています。
社内報は、以前は紙媒体で作られていましたが、今では、Webサイトやアプリなど、時代に沿った形式で社内報を発信する企業も増えています。これは、IT技術の進歩に伴い、リモートワークなどの働き方が普及し、社員間の物理的な距離が大きくなったことが大きな背景となっています。
それでは、社内報が持つ目的と役割について解説していきます。

このように、企業にとって重要な役割を持つ社内報ですが、目的を理解しないまま社内報を作ると、期待していた効果を生み出せないばかりか、無駄なコストが発生してしまいます。広報担当者が思い描いた結果と効果が出せるよう、社内報の目的と役割を理解し、社内広報に取り組みましょう。

 

社内報の4つの重要な役割

①自社の現状把握

企業のフィロソフィ(理念)、方向性、経営方針や経営状況、社会的なスタンスなど、社員が知っておくべき企業の総合的な情報を共有します。

②社内情報の共有

自社の新商品、新しいサービス、社内行事やイベントの告知、各部署の取り組みなど、通常の業務に役立つ情報を社員全員で共有します。

③社内コミュニケーションの促進と活性化

共通の話題を契機に、社員間のコミュニケーションを促進します。各部署のトピックスや担当者の紹介など、社員間で興味を引く情報を発信します。

④社員のモチベーションの向上

各部署や個人の業績を紹介したり、売上向上、資格取得などの成果を出した社員を紹介し、社員のモチベーションアップにつなげます。

 

社内報の作り方7つのステップ

社内コミュニケーションに大きな役割を持つ社内報ですが、作成するに当って、どのようなステップが必要なのか、ここでは、その流れを7つのステップに分けて解説します。

①企画を検討する

社内報の企画を検討する上で、最も重要な要素は“5W2H”です。個別の情報を発信する際、目的やタイミングを設定するために、次の項目をチェックしてください。

●Why(目的):情報発信の目的
●What(内容):情報の内容
●Where(場所):発信する場所(紙媒体、壁新聞、イントラネット、メールなど)
●When(時期):情報発信のタイミングや頻度
●Who(対象):情報を届けたい対象者
●How much(コスト):社内報作成にかかる費用
●How(方法):掲載する情報のコンテンツ化

②担当者、スケジュールを設定する

企画を検討したら、その情報発信に必要なリソースを整えます。取材(情報収集)や編集にかかる時間など、各記事に合わせて予想される費用を算出しておくことも大事です。
また、担当者を選定する際は、社内報全体の担当と各記事個別の担当と、分けてポジショニングすることを心がけましょう。さらに、ライティング、デザイニング、撮影など、スタッフィングの調整が必要となる場合もあります。各コンテンツの内容と担当者のスキル・適性を考慮しながら配置を決めていきます。

③レイアウトのラフを作成する

社内報は、テキストだけでなく画像も併用して制作されるケースがあります。その場合は、全体のレイアウトが重要になります。最も伝えたい、一番注目して欲しい記事を目立たせることを念頭に置き、読みやすいレイアウトになるよう心がけましょう。

④取材、原稿制作を行う

取材ではICレコーダーや撮影機器が必要となる場合があります。記事の内容に照らし合わせて、必要な機材や備品を事前に用意しておきましょう。撮影が入る場合は、場所やシチュエーションにも工夫が必要です。

⑤デザイン、レイアウトを完成させる

取材とライティングが完了したら、先に決めたレイアウトのラフに基づいてデザインの完プ(完成形)を作ります。コーポレートカラーやロゴマークを取り入れて、一体感のあるデザインにしましょう。

⑥入稿する

デザインが完成したら、次は入稿です。印刷所や社内で印刷する場合もありますが、Webサイトで公開する場合は、自社のコーポレートサイトやイントラネットへのアップとなります。

⑦配布、公開する

企画の時点で想定したターゲットにちゃんと届くように、社内報を配布・公開します。紙媒体の場合は配布、Webサイトの場合はサイト上へのアップとなります。

 

社員に読んでもらえる社内報にするための工夫

苦労して作った社内報も、社員に興味を持って読んでもらえないと意味がありません。そこで、「社員に読まれる社内報」を作る6つのポイントをご紹介します。

●社内報を発行する目的、主旨を明確にする

社内報の目的や主旨をしっかりと認識して記事を作成すると、「何を言いたいのか」、「何を知らせたいのか」、がしっかり伝わります。

●デザインや写真にこだわる

テキストだけの単調な紙面やレイアウトでは、社員に読みたいと思ってもらえません。写真や画像を使用して視覚的な効果を狙いましょう。

●実際の業務に役立つ情報を発信する

実際の業務に役立つ記事を入れるのも、大事なポイントです。自分にとって役に立つと認識してもらえれば、社員の方から積極的にアプローチしてくれます。

●現場の生の声を発信する

取材を通して発信される社内の現場担当者の生の声も、社員が興味を持って見てくれる重要なコンテンツです。

●エンタメ性を含んだ楽しいコンテンツを入れる

社員が気軽に参加できるパズルやゲームなどのエンタメ性のある楽しいコンテンツや、歳時記のコラムなどの掲載もお薦めです。

●社員が目にしやすい時間帯に配布・発信する

始業時間の前後や昼休み、休憩時間など、社員が目にしやすい時間帯に配布・発信するのも良策です。

 

まとめ

企業の規模が大きくなると、情報伝達の正確性や速度が落ちるという問題が生じます。それらを是正し、補うのもまた社内報の役割です。また、社内報の定期的な発行は、企業情報のストックとなり、会社の変革や歴史を記録するという役割も果たしてくれます。定期的な社内報の発行は社史の編纂に役立つかも知れません。

社内報のストックを見ることにより、新入社員はいつでも会社の歴史を知ることができると同時に、既存の社員は、そこから過去の欲しい情報を得ることができるのです。

これから社内報を制作する、あるいは現行の社内報を見直したい広報担当者の方は、発行する目的と役割をしっかり理解し、今回ご紹介したポイントを参考にして、社員全員に愛される社内報を作成してください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
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