【現役記者が解説】最強メディアリストの作り方と手順を徹底紹介!
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2023.03.22

【現役記者が解説】最強メディアリストの作り方と手順を徹底紹介!

広報担当者の主要な業務の一つにプレスリリースの配信があります。企業の情報(経営理念、方向性や商品・サービスの情報)を社会に向けて発信するこの業務において、「メディアリスト」は欠かすことができません。

では、この「メディアリスト」、どのようにして作成すれば良いのでしょう。今回の記事は、この「メディアリスト」の作り方について、5つのポイントを上げながら、解説していきたいと思います。

 

メディアリストとは?

広報担当者にとって、メィアとの関係性を「メディアリレーション」(「メディアリレーションズ」と呼ぶ場合もある)と言いますが、この「メディアリレーション」を構築し継続させるために、「メディアリスト」は必要不可欠なものです。では、まず、そもそも「メディアリスト」とは何か、から説明していきます。

①メディアリストの意味

メディアリストとは、営業活動で使用する「顧客リスト」のメディア版と考えていいでしょう。広報活動を進めていく上で、メディア担当者やライターとコミュニケーションを取っていくためにテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、そしえてWeb関係、フリーペーパーなど各メディアの連絡先を整理し管理するリストです。

②なぜメディアリストは必要なのか?

今の時代、メディアとの交渉や折衝の仕方は多岐にわたります。プレスリリースやメルマガを配信したり、記者会見への参加を呼びかけたり、当該案件に興味を持ってくれそうなメディア担当者に直接折衝したり、そのコミュニケーション経路はケース・バイ・ケースで一様にはいきません。こうした様々なメディアリレーションを形成する基盤を構築するために作成しておかなければならないのがメディアリストなのです。

 

メディアリストの作成方法

まず、自社の広報活動において、どのようなメディアが必要かを考えます。いろいろな案件を想定して、「何を目的にするのか」、「どのような効果を期待するのか」などを考え、最適なメディアをチョイスしていきます。メディアの分類法はいくつかありますが、大きく分けると、総合的な情報を扱うメディアと専門的な情報を扱うメディアの2種類に分けることができます。

①総合的な情報を扱うメディア

一般的に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などを指し、生活やビジネス全般に関する情報を幅広く扱う媒体(メディア)です。政治、経済、社会、文化、生活など、トレンドなどに合わせて取材してもらい取り上げてもらえるという利点があります。「浅く・広く」情報発信する特徴を持っているので、内容に合わせて使い分けることが必要です。

②専門的な情報を扱うメディア

特定のジャンルの情報のみを扱う媒体(メディア)です。取り扱う情報と、そうでない情報が明確になっています。「IT」、「釣り」、「サッカー」、「将棋」など、特定のジャンルに特化し、「深く・狭い」専門性の高い情報を発信します。自社が情報を伝えたい相手をセグメントする上で貴重な媒体(メディア)となります。

また、メディアの分類法には、次のような分類法もあります。

リスト作成で重要視すべきメディアの種類

①マスメディア

マスメディアとは、数万人を超える不特定多数を対象にしたメディアです。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などが代表的で、これらを「マス4媒体」と呼びます。

②Webメディア

一般的に、Web上で何らかの情報を発信しているWebサイトのことをWebメディアと言い、コーポレートサイト(ホームページ)、ポータルサイト、口コミサイトなどがあります。

③ソーシャルメディア

個人による情報の発信、個人個人のつながりや社会的要素を含んだメディアのことをソーシャルメディアと呼びます。ブログやTwitter、FacebookなどのSNSが該当します。

このように、一言でメディアと言っても、その特徴や性格でいろいろな種類に分けられます。メディアを選んでピックアップする時は、各メディアの特性を理解した上で、リストアップすることが重要です。

 

メディアリストに必要な9項目

①メディアの種類とジャンル

メディアの「ジャンル」と「種類」の項目です。テレビ、新聞、雑誌などの「種類」と、新聞であれば一般紙、ビジネス紙、建築誌のような「ジャンル」で分類します。

②メディア名

通常、呼称するもので、例えば、「TV TOKYO」など。

③会社名

メディアが所属する正式社名で、例えば「株式会社テレビ東京」など。

④部署名

報道局、編成局、企画室など、担当者が所属している部署。

⑤担当者名

担当者の氏名。漢字や読み方に注意しましょう。

⑥連絡先

担当者の固定電話、携帯電話、メールアドレス、LINEなど。
電話がつながりやすい時間帯などもメモしておくといいでしょう。

⑦SNS

メディア担当者のTwitter、Facebook、SNSなどのURL。

⑧コンタクト履歴

初めて名刺交換した日付から、直近のコンタクトまで、掲載時の成功事例や、失敗事例なども記しておくといいでしょう。

⑨備考

あまりオフィシャルには公表できない担当者の個性・特徴など。特定の政治思想を持っている、とか、使ってはいけないタブーな言葉などのパーソナルな情報。

上記の項目の他にも、担当者の来歴や個人宅の住所などを組み込む場合がありますが、これらは個人情報にも該当するので、臨機応変に対応することが必要です。

では、次にメディアリストを作成する時に大事な3つのポイントをご紹介します。

 

メディアリスト作成で気をつけるべき3つのポイント

チームで共有し、誰でもスムーズに活用できるものにする

メディアリストの作成に当っては、社内の各部署、チーム、スタッフのメンバー全員が共有でき、スムーズに活用できるよう、リストを作成することが大事です。今は、働き方が大きく変わり、フレックスタイムやテレワークの導入で、社員間の距離が遠くなりがちです。そんな中、メディアリストが独り歩きしても、経験やスキルを問わず全員が使いこなせるリストにすることが重要です。

②メディア担当者にダイレクトにアプローチする機会を増やせるような構成にする

時代の流れと共に、働き方が大きく変わっています。同様に、メディア担当者もリモートワークやフレックスタイム労働などが増え、従来の連絡手段ではタイムリーなやりとりができなくなっていることも事実です。

そこで、メディア担当者が常時持ち歩いている携帯電話番号やメールアドレス、担当者が主催するSNSなど、担当者にスピーディに連絡が取れ、直接情報発信できるよう、連絡先の項目を充実させましょう。

③広報活動の履歴を記載しておく

メディア担当者とのこれまでの活動履歴をメモしておくのも重要なポイントです。名刺交換した時期やきっかけ、記者会見への出席率、広報活動における成功事例や失敗事例など、こうした内容もリスト上で一元管理し、広報チーム内で共有できるよう構成してください。

 

最後に

使いやすく、且つ充実したメディアリストを作るには、作成前に「情報を整理すること」と「ルールを決めておくこと」です。

「情報を整理すること」とは、自社の企業としての特徴や存在意義を社会に情報として提供する価値を整理することです。「ルールを決めておくこと」とは、リストの作成者以外の人が利用することを想定して、入力や更新の統一したルールを決めておくことです。充実した内容を持ち、且つ運用しやすいベストなメディアリストが作成できれば、それは今後の広報活動に大きく役立つ重要なデータとなるでしょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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