広報部門を立ち上げる4つの方法・役割や手順を解説! 広報部門を作るメリットデメリットも
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2022.08.04

広報部門を立ち上げる4つの方法・役割や手順を解説! 広報部門を作るメリットデメリットも

広報部門を立ち上げようとしているなら必見です!

広報部門を自社内に作り、企業による優秀な人材の採用や確やは、中長期的な企業の施策として広報活動を創り出していくという観点は、非常に重要だからです。

しかし、あの世界企業TOYOTAでさえ終身雇用の限界を発表するなど、不確実性の高い世の中では、雇用そのものに対する考え方は、必ずしもメリットだけではないように思います。

そこで今回は、「自社で広報部門を立ち上げて、そこに配属する人材」を育てるための方法を4つ紹介していきます。それぞれにメリット・デメリットがあるので併せて解説していきますね。

*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家

 

広報部門を立ち上げてゼロから自社社員を成長させる

「すでにいる自社社員」を広報担当者にして、それを成長させるというやり方です。社長秘書、営業担当者、マーケティング担当者などを広報担当者に変えたり、兼任させたりする場合が多いですよね。

広報部門を立ち上げるメリット

(1)新規採用コストが発生しない

(2)新たな人件費があまり発生しない

(3)「自社に関して理解している人物」をPR担当にできるのは大きい

上の2点については分かりやすいメリットだと思います。3つ目に関してですが、たとえ腕のあるPR担当者だとしても、「PR対象」のことをよく分かっていないと、きちんと広報できない場合が多いです。ですが、もともといた自社社員を広報担当者にすることができれば、この問題は起きにくくなりますよね。

広報部門を立ち上げるデメリット

(1)広報担当者として成長するまでなかなか成果を出せない

(2)研修費用が発生する

(3)そもそも「もともとの業務との兼任」をしてくれるでしょうか

上の(1)については理解しやすいはず。特に全くのゼロから始める場合は、成果が出るまでにかなりの期間を要することになるでしょう。だからこそ、勉強会やセミナーに参加させるべきなのですが、それには当然ながらコストがかかりますよね。

また、特にベンチャー・中小企業で「社員数が少ない」という場合は、「もともとの業務を完全にやめさせて、広報の仕事に専念させる」というわけにもいかないでしょう。つまりは、「兼任させる」ということですが、それを引き受けてくれる社員を確保できるでしょうか……。

このあたりの問題をあらかじめ精査する必要があります。

*こちらも人気:PR・広告・宣伝の違いって?現役記者が解説

 

広報部門の設立を機に新たにPR担当経験者を採用

つまりは「即戦力」を外部から獲得するということですね。

広報部門設立時に人材を採用するメリット

(1)即戦力になってくれる

(2)育成の手間がかからない

こういった分かりやすいメリットがありますね。

広報部門設立時に人材を採用するデメリット

(1)そもそも「実力のあるPRマン」の数が少ない

(2)「自社に見合うPR」をしてくれるかどうかわからない

広報・PRのことで頭を悩ませている(悩ませた経験がある)方であればご存じだと思いますが、そもそも世の中に「実力のあるPRマン」がそれほど存在するわけではありません。

そのため確実にそういった人材を採用したいのであれば、待遇を良くする必要があるでしょう。ただ、ベンチャー・中小企業がそのようなコストをかけてPRマンを雇うというのはなかなか厳しいはずです。

また、無事に実力派のPRマンを採用できたとしても、「自社に見合うPR」をしてくれるかは分かりません。特に多いのが、「ベンチャー・中小企業なのに、まるで大手企業のようなPR活動をしてしまう」というミスマッチですね。

 

広報部門を立ち上げずにPR会社にアウトソーシングする

PR会社に外注するという方法ももちろんあります。ただ、一見有効ではあるものの問題点も少なくありません。

広報部門を立ち上げずにアウトソーシングするメリット

(1)手間がかからない

(2)新規人材採用の必要性がない

(3)「自社の状況」を変える必要がない

総じて「とにかく楽」というのがメリットになると言えるでしょう。

広報部門を立ち上げずにアウトソーシングするデメリット

(1)少なくとも月々50万円前後のコストがかかる

(2)それでも成果が出るとは限らない

(3)「PRのノウハウ」が自社に蓄積していかない

PR会社にアウトソーシングするとなると毎月50~100万円程度のコストが発生します。特にベンチャー・中小企業に関しては、そもそもこれだけの費用を捻出できないかもしれません。

また、PR活動は「やればやるだけ成果が出る」というものではありませんから、数十万~数百万円がほぼムダになってもおかしくありません。

そして、会社として「今後も永遠にアウトソーシングする」という覚悟ができているのであれば構いませんが、そうでなければ「PR会社に丸投げするため、PRのノウハウが自社に貯まっていかない」というのは大きなデメリットとなるでしょう。

 

広報部門立ち上げのかわりに「フリーPRマン」に依頼する

●フリー(個人事業主)のPRマン

●小規模(社員1~3名程度)のPR会社

のいずれかに依頼するという方法です。後者については、アウトソーシングする側としては、ほぼ「フリーの人に任せている」という感覚になることでしょう。

フリーのPRマンに依頼するメリット

(1)コストが低くて済む

(2)「自社への勧誘」もできる

「中小規模のPR会社の半額くらい」で引き受けてもらえる場合が多いです。また、しばらく頼んでみて「PRマンとして腕が立つし、自社との相性もいい」と感じるのであれば、「我が社に入りませんか?」と誘うことも可能です。

実際に入社してくれるかは分かりませんが、この方法で優秀なPRマンを獲得しているベンチャー・中小企業は少なくありません。

フリーのPRマンに依頼するデメリット

(1)人によって実力の差が激しい

そのため基本的には、「可能な限り短期で契約して、実力や相性をはかる」という方針を採ることをおすすめします。気に入った場合は継続したり勧誘したりすればいいですよね。ただ、「ハズレ」を引いたのであれば別のPRマンを探すことになるでしょう。そして「なかなかアタリを引けない」となれば、どんどんコストがかさんでいってもおかしくありません。


執筆者・監修者
上岡正明
テレビコメンテーター・経済記者
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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