情報が飽和している世の中で、情報を届けることはより難易度が増しています。
「雑に作ったプレリリースを多くのメディアに大量にばらまく」という、「仕事をしているフリ」をする新人の広報担当者が少なくありません。でも、これではもちろん取材に繋がりません。
では、新人PR担当が最速で実力を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。ズバリ「本」を読みましょう。
*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家
広報担当はネット記事ではなく「本」から情報収集すべき理由
インターネット記事からも「広報関連のノウハウ」を得ることはできますが、情報がまとまっていない場合が多いです。
ですが、「書籍」であれば、「1冊読めばそれなりに知識が身につく」ようにまとまっている可能性が高いです。
広報関連の書籍は特にその傾向が強いと思いますね。
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新人の広報担当者におすすめの読書方法3ステップ
読書法1)初歩的な本を数冊読む
*「広報PRの基本」
*「広報担当者の実務」
などに関する初歩的な本を2~3冊読みましょう。
広報に限らず多くのノウハウ本に言えることですが、「特に初心者向けの書籍は、内容が類似しやすい」ですから何冊も読む必要はありません。
読書法2)実践的な内容の本を数冊読む
「1」で「広報担当者の基本的な仕事内容」や「広報担当者が持つべきマインド」などを学びます。
それが済んだら、今度は「メディア露出に繋げるための立ち回り方」など、実践的な内容を知ることができる本を読みましょう。これも2~3冊くらいでOKです。
読書法3)レベルの高い本を読む
続いて、「それなりに実務で結果を出している広報担当者でないと理解しにくい本」を読みます。新人広報担当者が読んでも分からないかもしれませんが、それでも目を通してください。
こちらは、「実務をこなしつつ、時間があるときに読む」という感じで、「何冊まで」と制限を決めずに読み続けましょう。
このようにして本を継続して読むことで、広報担当者としてのノウハウが蓄積されていきます。余裕があれば、「書籍の内容の重要な部分をまとめる」などの事もしてみましょう。
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広報担当が広報の本を選ぶときの注意点4選
注意点1)「大企業向けの本」ばかり読まない
実は、世に出ている「広報ノウハウ本」の多くは、「大企業の広報担当者向け」です。
「狙って大企業のPR担当者のために書いている」というよりは、「そういう内容でしか書けない作者が大半」という側面もあります。
大企業には、
・広報活動に潤沢な資金をかけられる
・「知名度があること」を前提とした活動ができる
など、ベンチャー・中小にはない武器がありますから、あまり参考にならない可能性があります。「ベンチャー・中小企業の広報担当者向けの本」もちゃんと読みましょう。
注意点2)マスコミ関係者が、マスコミ関係者向けに書いた本も読む
こういう本には、
「どうやって特ダネにたどりついたか」
「どのように取材基準を決めているか」
「原稿作成において重視していることはなにか」
など、広報担当者にとっても非常に重要な内容が詰まっています。むしろ、「『広報担当者向けという視点』が全くない本」を読んだほうが、より価値のある情報を得られるかもしれませんね。
注意点3)「広報活動の成功体験集」的な本を読む
「守秘義務」などの関係上、「こういう広報活動をして、こういう成功をしました!」という内容が書かれている
本はあまりありません。
ですが、全く存在しないわけではないので、探し出して必ず読みましょう。大いに役立ちます。
注意点4)最初の1か月で10冊以上読む
あまり時間をかけて読んでもグダグダになりますし、最初のほうの内容を忘れるかもしれません。ですから、特に最初の1か月で10冊以上読むようにしましょう。
だんだんと、「『広報関連本というジャンルの書籍』を読むこと」に慣れていきますから、読むスピードも上がっていくはずですよ。
広報の本を読んだら実践してノウハウを身につける
もちろん本を読むだけで満足してはいけません。
本の内容を実践し、経験を積み、「自分だけのリアルなノウハウ」を身につけていきましょう。