広報担当者の必須スキルとは?広報担当はデータではなく「人間」を相手にして仕事する
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広報活動/戦略PR
2023.02.27

広報担当者の必須スキルとは?広報担当はデータではなく「人間」を相手にして仕事する

広報の必須スキルとして、「データ」ではなく「人間」を相手にする仕事の仕方があります。

広報担当者に任命された以上は、自社の決算などの「数値」を知り尽くしておく必要があります。また「各商品のスペック」「サービスの特徴」「どの部署がどんなことを行っているか」「ローンチ(発表)やサービスインの時期」なども押さえておかなければなりません。

♥デキる広報担当者として押さえておきたいポイント4つ

  1. 各商品のスペック
  2. サービスの特徴
  3. どの部署がどんなことを行っているか
  4. ローンチ(発表)やサービスインの時期

 

ですから広報担当者には、情報を記憶する力も必要です。

しかし、受験勉強をするかのように数値と睨めっこしたり、ノートに自社の情報をまとめたりするだけでは、広報担当の仕事としては不十分です。
そこで今回は、PR会社のコンサルタントや広報担当者が押さえるべき「仕事のコツ」についてお話しします。

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*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家

 

広報担当の必須スキルとは?

新任の広報担当のイメージ

例えば、「1年で業績が10パーセントアップした」という「データ」があるとします。
では、そのデータを元々生み出したのは「何」なのでしょうか?

そうです。「人間」がデータを生み出しているわけですよね。
「社員が活動をしたから、こういう数値になった」などの流れがあるわけですね。
「ただの数字の羅列」ではないのです。
「歴史の勉強をするさいは、出来事の因果関係を把握するのが鉄則」とよく言われますが、それと同じです。

また、「この部署はどのような取り組みをしているか」という事実そのものも、単なる「データ」に過ぎません。

もちろん知識として押さえておかなければなりませんが、

・どんな気持ちで取り組みをしているのか
・どんな目標で取り組みをしているのか
・誰が取り組みをしているのか

など「人間」が取り組みをしているという意識を持たないと、広報担当として必要な視点が養われない可能性が高いです。

とにかく、まずは「広報は人間を相手にする仕事である」ということを意識しましょう。

 

広報担当者が社員と関わるための4つの具体策

PRする人々

「社員のことをよく把握する必要がある」ということなのですが、そのためには具体的にどのような事をすれば良いのでしょうか。
いくつか具体策があるので紹介していきましょう。

1:まずは「社長」との繋がりを!

一口に「社員」と言っても色々あるわけですが、まずはやはり社長(もしくはそれに準ずる役職)との繋がりを持ってください。

会社のシステムにもよるでしょうが、「ウチの広報担当者?誰だっけ?」と会社トップに言われてしまうようでは、お話しになりません。

これは「会社で一番立場が上の人物だから、関わりを持ちましょう」という事ではありません。
「広報担当者には、社長の考えを広く発信する役割がある」からです。だからこそ、トップと積極的に関わるべきなのです。
ですから、社長と深く関わって「社長が何を考えているのか」を知る必要があります。

まずは広報担当者として名前を覚えてもらい、社長自身の「気持ち」や「目的」などを聞き出しましょう。できれば、毎日僅かな時間でも顔を合わせたいものです。

2:各所の会議に出席させてもらう

各事業部の責任者などに頼んで、会議などに参加させてもらいましょう。
もちろん、インタビューのような形でその責任者に話を聞くのも悪くはありません。

しかし、やはり会議に出席したほうが、

  1. 現状の活動
  2. 挑戦している課題
  3. 組織としての短所や長所

 

などが見えやすくなります。

3:飲み会に参加しましょう

最近は、「飲み会」と聞いただけで嫌悪感を抱く人もいるかもしれませんね。「飲みニケーション」などの言葉も流行しました……。
ですが、広報担当にとっては実は案外、重要なことだと言えます。

飲み会という砕けた雰囲気の空間で、できるだけ多くの社員に話を聞くことで、「会社としてのよりリアルな空気」を知ることができます

そして、信頼関係を作ることで、「広報担当である自分自身に、情報を回してくれる味方」を増やすことが可能ですよね。
適度にアルコールが回れば、より会話が弾み「深い話」を聞けるかもしれません。

いっそ「自分が幹事になって、どんどん飲み会を開く!」というくらいの気持ちも、広報担当なら必要でしょう。ただし、「羽目をはずしすぎない」「全員がお酒を飲まないといけない雰囲気だけは絶対に作らない」ようにしてくださいね。

4:機会があれば支社にも足を運ぶ

広報の仕事で移動するさいは、前もって「目的地の周辺に、自分の会社の支社はないかな」と調べておきましょう。

そして、存在する場合は、ちょっとしたお土産などを持参して「顔見せ」しましょう。

ただ、あまりにも「仕事の一環として来ました!」という態度を見せると、相手の気持ちを損ねるかもしれません。
やはり「顔見せ」程度で済ませることをおすすめします。

そういう雰囲気を保ったほうが結局は「繋がり」ができやすいですし、いずれ「こういう情報があるので、よかったら使ってください」とネタを回してもらえるようになるかもしれません。

 

以上、広報担当の仕事のちょっとしたコツでした。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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