ネタがなければ創り出すのがPR
コラム
成功事例×PR
2019.01.24

ネタがなければ創り出すのがPR

みなさんこんにちは。

いよいよ本格的に寒い季節の到来ですね。
くれぐれもインフルエンザには気を付けましょう。

さて、今回は寒い季節にふさわしい
ホットなネタを話題に、
引きのあるPR施策について考えてみたいと思います。

ネタはズバリ、「激辛商店街」です。

なんだかネーミングを聞いただけで
全身がヒリヒリしそうですね。^^;

実はこれ、京都府向日市の商店街のPR施策です。

目的は、
激辛料理を商店街の名物とし、
”日本一リアクションが取れる街”としてPRすることで、
街の知名度を上げ集客効果を狙う、ということです。

関連ニュースを色々チェックしてみると、
何やら不思議な商店街の風景が。

例)
・商店街の看板に「キケン!!辛すぎ」の看板がある。

・お客への貸し出し用のガスマスクが
壁にかかっている中華料理店。
激辛料理を調理中の店主が
厨房でガスマスクをつけている?!

・向日市で激辛メニューを扱う店の総称として、
「KARA-1グランプリ」というイベントも開催。
全国から数万人規模の来場者を集め、
成功した町おこしの成功事例として、最近注目されている。

中華料理店でガスマスク、とは
ビックリですね。^^;

それにしても何故、
「激辛商店街」の企画が実現したのでしょうか?

向日市は京都市の南西部に接する地域で、
“西日本で最も面積の小さな市”であり、
多くの観光客が訪れる京都の中心街とは異なり、
これといった観光資源を持つわけでもない、閑静な住宅街が広がる街です。

かつては、町おこし施策として、
地元の特産品である竹にちなみ、竹馬の全国大会を開催していましたが、
あまり集客効果は出なかったようです。

そのため、引きが強くてインパクトがあり、
経済効果が期待できそうな施策がないかと、
町内会の関係者の方々は、
広がりのあるテーマは何かを真剣に模索しました。

様々なアイデアを出し合っていく中、
「京都向日市激辛商店街」のリーダーが、
辛い食べ物が大好物という方で、

「辛い料理には人を集める力がある!」
と、“激辛グルメ”というテーマを提案したそうです。

アメリカでは、激辛グルメに特化したイベントが毎年開催されており、
何十万という単位で人が賑わっている、というエピソードをヒントに、
「ここはひとつ辛いもので町おこしをしよう」とアイデアが盛り上がり、
プロジェクトがスタートしました。

関係者はまず、
加盟店となっていただけるお店を集めるために、
足しげく通い、各店舗の責任者を説得しました。

最初は、
「激辛と向日市にどんな関係があるのか?」
「成功する根拠は?」
などと厳しい意見が続出。

スタートして少し経過し、
とあるWEBニュースに取り上げられたことがきっかけで注目が集まり、
そこから徐々に広がっていき、
結果として観光客が激増に成功しました。

ここで大事なポイントは、
web上の口コミが徐々に周りに浸透し、
自然発生的に話題が広がっている、ということです。

激辛、と聞いて最初に食いつくのは
当然ながら辛い物が大好きな人達。

その方々の口コミは、
周りにいる辛い物好きな方々にも自然に広がっていきます。
(まさに、類は友を呼ぶ、ですね。)

そしてSNSやwebニュースで徐々に話題が広がり、
やがては新聞やTVメディアが取り上げ、
さらに注目度が上がる、
という流れになります。

そしてテレビ等を観ている消費者は、
気になって自らwebで検索するようになります。

ここ数年、世の中で話題になっているネタを色々リサーチすると、

消費者自身が、
”面白いから、知り合いに伝えたい”
と思えるかどうかが、
PR成否の大きな分かれ目になっていることに
気付かされます。

今あるリソース、ネタに囚われず、
”こうしてみたら、どんな化学反応が起きるか?”
と仮説・検証を繰り返しながら
PR案を出し、実行していくことも重要だと思います。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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