プレスリリースの質を左右するリード文作成の注意点と構成ポイント7選
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2025.07.28

プレスリリースの質を左右するリード文作成の注意点と構成ポイント7選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースの「リード文」作成のポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「リード文はいつも、なんとなく埋めてしまっている」という広報・PR担当者や、「タイトルやサブタイトルには気を付けているものの、リード文の上手な書き方がわからない」という方におすすめの内容となっています。

本記事では、プレスリリースのリード文というものの概要、そしてリード文作成のポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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プレスリリースのリード文とは?

プレスリリースにおけるリード文とは、プレスリリースのタイトル・サブタイトルの下部の文章のこと。数行でプレスリリース全体の要点などを簡潔に伝わる役割があります。特にメディア関係者は日々大量のプレスリリースを読んでいるため、リード文だけで情報を伝えつつ、「続きも読みたい」と思わせましょう。

メディア関係者も常にネタを求めているため、届いたプレスリリースを全く読まずにスルーすることは少なくとされています。ただ、リード文のクオリティが低ければそのままボツにしたり、読み進めるとしても軽く読み飛ばしたり、読むモチベーションを下げたりするようですので気を引き締めてリード文を作りましょう。

プレスリリースのリード文作成の7つのポイント

それではプレスリリースのリード文を作成するにあたってのポイントをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。プレスリリースに限らず、なんらかの文書を作るにあたって「リード文のようなもの」を高品質で作成できるようにしておくことも大事です。

ポイント①:200~300字で1~3段落ほどが目安

まずプレスリリースのリード文の目安は200~300字で1~3段落(改行までを1段落として)が目安です。多くでも400字までにしておきましょう。基本的には1~2文(。までが1文)で改行します。文章は1文が短いと読みやすくなる傾向にありますが、10~20字ほどの1文が連続するなど短すぎるとむしろ読みにくくなるので気を付けてください。

ポイント②:リード文だけで概要が伝わる文章にする|小説とは違います

冒頭でお伝えした通り、リード文だけで概要が伝わる文章にしてください。言い換えると、リード文だけで「何について伝えたいプレスリリースなのか」がわかる文章にする必要があります。

これが小説の場合、「あえてぼかして書いて続きを読ませる」という手法もありますが、プレスリリースでは一切求められていないので気を付けてください。どれほど重要そうな情報であっても、「続きが気になる!」ではなく、「イライラさせないでほしい」と思わせてしまうだけです。

ポイント③:5W+2Hでわかりやすくする

リード文の中に5W+2Hを可能な限りすべて入れることで、自然と「読みやすく、概要を伝え切る文章」を作ることができます。大変に思えるかもしれませんが、むしろある程度「型」にはめることができるようになるため負担が減ります。

具体的には、「誰が(Who)」「何を(What)」「どこで(Where)」「いつ(When)」「どうして(Why)」「どのように(How)」「どのくらい(How much)」のこと。

ポイント④:明確な数値を入れる

リード文に限った話ではありませんが、プレスリリースの文章には可能な限り明確な数値を入れて具体性を持たせることが大事です。例えば以下のように言い換えましょう。

  • 大幅アップ→47%向上
  • 業界トップクラス→○○調べで業界第2位
  • 口コミ多数→「5段階中5点満点」の口コミが全体の97.2%

ポイント⑤:具体性のある言葉でわかりやすくする

具体的な数値を入れることが難しい部分についても、明確な言葉を選ぶことでプレスリリースのリード文に説得力を持たせることができます。例えば以下の通り。

  • 使いやすくなった○○(商品名)→○○技術で□□部分の性能を□%アップさせた○○(商品名)
  • AIを活用した□□(サービス名)→AIにより最新情報をリアルタイムでキャッチして災害予測を行い、3秒以内のタイムラグで指示を出す□□(サービス名)
  • より一層の進化を目指す→○○技術を駆使し、□□の性能を2年以内に20%向上させることを目指す

リード文の文字数が許す範囲で、できる限り読者から「具体的にはどういうことなのか」と思われてしまう表現を潰します。

ポイント⑥:形容詞を避ける

形容詞とは例えば「素晴らしい」「面白い」「楽しい」などの表現のこと。人によって捉え方が違いますし、表現によっては「何かをごまかそうとしている」と思われかねないのでリード文で使うべきではありません。

一例として以下のように言い換えましょう。

  • 美しい→○○部分のデザイン性を追求した
  • 面白い→1236件のレビュー中、「面白い」と答えた方が91.2%
  • 楽しい→□□の工程にかかるストレスをカットした

これらでも十分かもしれませんが、さらに「デザイン性の追求とは何か」「ストレスのカットとは何か」などを文字数の許す範囲で突き詰めることができる場合は、さらに言葉を連ねましょう。

ポイント⑦:専門用語を避ける|例外あり

特にリード文で難しい専門用語を1つでも使ってしまうと、それだけでも続きを読むモチベーションが下がるので気を付けてください。「わからなければ調べてくれればいいのに……」と感じるかもしれませんが、メディア関係者も、(PR TIMESなどのサイトでプレスリリースを読む)一般層も基本的にそこまではしてくれません。

そのためリード文では専門用語を使わないようにしましょう。どうしても使わざるを得ない場合は直後に注釈を入れるか、もしくは「○○を□□にする効果がある△△△(専門用語)」など、文章の前後で自然に解説を入れてカバーします。

特に製品名・サービス名に専門用語が含まれている場合は、リード文とはいえ専門用語の使用を避けにくいはず。そういったケースでは、この「前後での自然な解説」で補うことをおすすめします。

✅専門新聞・専門雑誌などに送るプレスリリースなら専門用語の使用もOK

なぜプレスリリースのリード文で専門用語を使うべきでないかというと、「伝わりにくいから」でしかありません。そのため専門新聞・専門雑誌などに送るプレスリリースの場合は、専門用語を使って構いません。むしろ自然な範囲で積極的に専門用語を使う方が「伝わりやすさ」が増すことでしょう。

また、リード文では基本的にあり得ないと思いますが、例えばライトな雰囲気のSNS投稿では「○○に役立つ□□(専門用語)とは?」などと、専門用語をクイズのように扱うことで人々の関心を引くこともできるかもしれません。

いずれにしても「専門用語は絶対にNG」と安易に考えるのではなく、「少しでも伝わりやすくするにはどうするべきか」という視点を持って、使う言葉を考えましょう。

まとめ

「タイトル」と「サブタイトル」は、プレスリリースを高いテンションで読んでもらえるかを決める重要なポイントですが、その次に大切なのは今回紹介した「リード文」です。「本文の言葉をツギハギして文字数を埋めればいい」と考える広報・PR担当者もいるようですが、それでは質の高いリード文にはならないので気を付けてください。

リード文を上手に作成する技術を身に付ければ、他の文章やSNS投稿の内容などを決める際にも役立ちますので、本記事の内容を参考にして「メディア関係者も一般層も惹きつけるリード文」を書くとができるようになっていただけると幸いです。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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