プレスリリース作成前にやっておきたい下準備のコツとチェックポイント10項目
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2025.04.21

プレスリリース作成前にやっておきたい下準備のコツとチェックポイント10項目

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリース作成に入る前に済ませておきたいことを項目分けして紹介していきます。

特に「プレスリリース作成を始めても詰まることが多い」、「酷い場合はほとんど書けないことさえある」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事ではプレスリリースの下準備の重要性、そしてプレスリリース前にやっておくべき下準備などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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プレスリリースを作成するためには下準備が重要。いきなり書くのは難しい

経験の浅い広報・PR担当者に多いミスの一つに、「プレスリリースをいきなり書こうとして書き進められなくなる」というものがあります。場合によっては書き始めることさえできない、かなり書き進めた段階で「全く使い物にならない」と気付く、という場合さえあります。

それもそのはず。プレスリリースは自分のブログや日記のように「なんとなく」で書いていいものではなく「企業の情報をわかりやすく発信するための公的文書」ですので、下準備をしないとまともに書くことができません。

プレスリリース作成は「執筆」よりも情報収集や下準備にこそ時間を取られるもの

「下準備に時間をかけているようでは質の高いプレスリリースを作成できない」と感じるかもしれません。ですが実際には「執筆」よりも、その前の情報収集や下準備にこそ時間を取られるものです。

むしろプレスリリースを何回か作成して慣れてくれば意外とスムーズに作成できるものですし、メディア関係者なども美文は求めていません(ネタが魅力的であることが大事)。そのため焦らずじっくり必要な分だけ情報収集や下準備をしてからプレスリリース執筆に臨むことをおすすめします。

プレスリリース作成の下準備チェック項目10つ

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それではプレスリリース作成の下準備でチェック・把握しておきたい10個の項目を紹介していきます。これらを埋めておくことでプレスリリース作成がしやすくなりますし、内容がブレずに広報・PR効果が高くなるものです。

項目①:プレスリリースのネタ(情報)のターゲットの属性

まずはプレスリリースネタのターゲットの属性、つまり「どのような人に届けるか」を明確にします。具体的には年代、性別、年収、職業、地位など。

例えば商品・サービスに関するプレスリリースの場合は、基本的に「その商品・サービス自体のターゲット」を軸に考えると、「プレスリリースのターゲット」も設定しやすいです。

両方のターゲットは合致していても構いませんが、戦略によっては「商品・サービス自体のターゲット」からさらに絞っても良いです。

項目②:ターゲットの興味・関心

ターゲットの主な興味・関心をリストアップします。

この項目に限りませんが、広報・PR担当者の想像だけで書いてはいけません。いくら普段広報・PR活動をしていて様々な情報に触れる機会が多いとしても、どうしてもズレが生じるものです。

インターネットを使って顧客属性調査をする、自社でアンケート調査をする(過去の調査結果も参照する)、経済産業省などのウェブサイトをチェックするなどの方法で、きちんと裏付けのあるものにしましょう。

項目③:ターゲットのライフスタイル、よく足を運ぶ場所

ターゲットのライフスタイルや、よく足を運ぶ場所もリストップします。

ここでいうライフスタイルとは主に、1日・1週間・1カ月・1年をどのように過ごすか、どこで買い物をするか、何を重視して買い物をするか、人生において何を重視するか(仕事、趣味、恋愛……)など、生活や人生全般に関わるもののことです。

その中でも「よく足を運ぶ場所」は、その人が何に興味・関心を持つか、何を趣味とするか、そこで何を買うか、などを突き詰める上でのヒントになりやすいので優先的に調べる(データを探す、統計を取る)ことをおすすめします。

項目④:参考にするメディアの種類(テレビ、新聞、雑誌、ウェブメディア、SNS……)

ターゲットが主に参考にするメディアの種類(テレビ、新聞、雑誌、ウェブメディア、SNS)を調べましょう。この項目は、例えば「10~20代で紙の新聞を読む人は非常に少ない反面、60代以降で読む人は多い」など属性によって差が出やすいので、特にきちんと調査してください。この段階で間違えると、「本来のターゲット層ではない人」に必死に情報を届けて空回りすることになるかもしれません。

項目⑤:参考にする番組名、新聞名、雑誌名、ウェブメディア名、SNS名……

さらに参考にする番組名、新聞名、雑誌名、ウェブメディア名、SNS名などと具体的に絞り込みます。例えば「この新聞のこのコーナーに送りたい」と決めて、それに合うようにプレスリリースを作成するべきなので、下準備の段階である程度絞りたいものです。

「SNS名」は他と毛色が違いますが(SNSに直接プレスリリースを出すわけではないので)、例えばプレスリリースの内容を踏まえて、SNS発信をする場合などに役立ちます。

項目⑥:ターゲットが誰の言葉を参考にするか

「ターゲットが誰の言葉を参考にするか」も調べておくことをおすすめします。これを明確にしておくことで、「ターゲットが参考にする人、のような属性のメディア」という、メディアの絞り込み方がしやすくなります。

また、この部分をハッキリさせておくと、プレスリリースを作成するにあたっても、意外と「こういう表現だと反応が良さそう」などと考えやすくなるものです。

項目⑦:新しいものを購入・有料登録するにあたって誰に・何に相談するか

ターゲットが新しいものを購入・有料登録するにあたって、誰に・何に相談するかも調べましょう。

「誰に」について例えば「同年代の友達に相談する」という場合、その友達のためにもなるようなプレスリリースを作成するつもりで臨むと、プレスリリースの質が上がりやすいです。

また、「何に」とは、例えば「雑誌に」「SNSに」などが該当しますが、その「相談される対象」になれるようなイメージでプレスリリースを書くとやはりクオリティがアップしやすいといえます。

項目⑧:ターゲットや「ターゲットが相談する人」に口コミ・レビューをしてもらう方法は?

特にプレスリリースに口コミ・レビューを載せる予定の場合は、早い段階で具体的にどのような方法で口コミ・レビューを集めるか決めておくことをおすすめします。

例えばハッシュタグを使ってSNS上で投稿を促す、購入者にメールで促す、関係部署と協力して発売前にモニター施策をするなど。

項目⑨:プレスリリースネタを受け取った人が得る利益と、その利益を得るという根拠

「プレスリリース」→「メディア露出」を通じて情報を受け取った人が得る利益と、その利益を得るという根拠も整理しておきましょう。例えば「有益な商品の情報を得ることができる(利益)」、「データ上、ターゲット層に多い悩みを解決する商品と言えるから(根拠)」など。

さらに、「メディア露出実績が多いネタだから利益もあるはず」「権威のある専門家の指導を受けた商品だからターゲットにとって利益があるはず」など、実績や権威を根拠にするのもいいでしょう。

ただし「たくさんメディア露出してきたこと」だけを根拠にするのは弱いので、他にも根拠を用意したいところです。そうでないと「今まで価値があったネタなのだから、これからも価値がある!」と言い張るだけに等しいですからね。

項目⑩:プレスリリースネタを100字程度でまとめてみる

プレスリリースネタを100字程度でまとめてみましょう。これをやっておくことで同じく短文であるプレスリリースのタイトルやリード文も書きやすくなりますし、プレスリリースを書き進める中で「最も重要なこと」から脱線しにくくなります。さらに「この100字こそ大事」とハッキリしているとSNS投稿文などを考える材料にもなることでしょう。

また、なんらかのきっかけでメディア関係者と直接会えた場合における、第一声のヒントにもなります。メディア関係者は基本的に多忙なので、前置きなしですぐに要点を話してほしいと思っているもの。

そのため広報・PR担当者が100字ほどでバシッと「~~というネタがあるんです!」と言えると、そのメディア関係者から良い反応(その後も話を聞いてくれる、後で連絡をくれるなど)をもらえるかもしれません。

プレスリリース作成前にやっておきたい下準備のコツまとめ

プレスリリース作成の下準備のための10項目を紹介しましたが、中には「プレスリリース作成時にどのように役立つのかピンとこない」というものもあったかもしれません。ですが、いざ作成に入ってみるといずれも「やっておいた良かった」となるはずなのでぜひ参考にしてください。

そして慣れてくれば特に、プレスリリースの「執筆」にはそれほど時間を取られないものです。そのためむしろ情報収集や下準備などにこそ時間を使うことをおすすめします。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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