目標設定と並んで大切なのが効果測定です。目標設定はチームの方向性が明確になるものです。それに対して効果測定は、広報活動の成果向上につながります。戦略の改善をするのに効果測定は必須です。
この記事では、広報担当の企画は効果測定が決め手となる、をテーマに最新の効果測定の手順を解説していきます。
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効果測定の項目と抑えるべきポイント
効果測定のポイントは全部で2つあります。
①データは定期的に収集する
メディア露出量、広告換算値、リーチ数、オンライン指標などを定期的に測定します。マスメディアとオンライン双方で、定期的なデータ収集と分析を行います。
そうした測定方法には下記のコツがあります。
・露出の測定と質を評価
各メディアをモニタリングし、新商品のメディア露出数や時間を集計します。露出の量だけでなく、ポジティブか、ネガティブか質の評価も行います。また、記事なら配置された場所によって重み付けした評価を行います。
・広告換算値を測定
広告の料金を調べて、獲得したメディア露出の広告換算値を調べます。テレビやラジオの場合は、放送時間や視聴率を元に換算値を算出します。あくまでも参考の指標として出して、ほかの指標とも併用していきます。
・リーチ測定と関心度をチェックする
新商品情報が届いた人数を推定します。オンラインメディアは、ウェブサイトのアクセス数やSNSのフォロワー数、いいねの数も分析します。実際商品に関心を持ったり購入した人数も指標を出します。
・オンライン指標は測定とともに深堀する
ウェブサイトの訪問者数や、SNSのいいねの数などのオンライン指標を定期的に収集し、分析を行います。収集するだけでなく、収集したデータを比較分析もしていきます。どのようなコンテンツやキャンペーンが効果的だったのか、ユーザーの反応や行動を深堀して理解するように心がけます。
・定期的なレポーティングと改善
収集した情報は定期的にまとめて、関係者やチームメンバーと共有します。共有することによって、進捗状況の把握や目標達成のために、改善策を探ることができます。データ収集と分析のタイミングは、事業の進捗や目標達成状況に応じて、柔軟に変更します。分析をもとに改善策を速やかに実行に移して、効果測定にも反映させたいです。
②時系列分析が重要となる
広報活動の開始前後で、各指標がどう変わったかも比較します。
・ベースラインの設定
広報活動開始前の指標は必ず把握しておくようにします。これをベースラインといいます。指標にするのは、露出量、リーチ、オンライン指標などです。
・活動期間の設定
広報活動が行われる期間を設定して、その期間内での指標の比較と分析を行います。
期間は大きく分けると2つあります
◉短期:数週間から数カ月
◉長期:半年から1年以上
目標達成や効果測定に適切な期間を設定するように心がけます。短すぎても広報活動開始前と差が大きく表れず、比較できないということがあるので、長すぎず、短すぎない適切な活動期間を設定しましょう。
・定期的なデータ収集と分析
広報活動開始前、開始後、活動終了後の定期的なデータ収集が大切です。それを時系列にして分析を行います。活動の効果や変化の様子を把握し、改善策を検討する。継続的なPDCAを回すことが大切です。PDCAを回すことで、商品の認知度や評価を高める上でのポイントとなります。
・効果測定のタイミングと分析手法の選定
時系列分析の効果測定は、あらかじめ決めたタイミングで行います。しかし、市場環境や競合の状況が変化したときには、柔軟に測定のタイミングを変更することも必要になります。
効果測定の目的は明確にしておきましょう。それに応じた指標や分析方法を選定が必要です。
効果測定は早期に着手することが大切
新商品発表会や記者会見など、大きなイベントの前後で各指標が、どう変化したのか測定します。時系列分析の一種ともいえる、ベースラインの設定、インベント期間の設定、定期的なデータ収集・分析がポイントになります。
他の要因の影響を考慮することや、複数の指標の併用にも注意が必要です。効果測定の目的やタイミングを明確にして、短期間での分析結果を活用して、早期に改善案を検討する必要があります。
また、以下のポイントをしっかりと押さえましょう。
◉ベースラインに設定するものは売上、来場者数、オンライン指標などです。
◉イベント期間を的確な長さにします。
◉効果測定の目的は明確にします。
競合分析をして、競合に差をつけよう
競合の企業と自社を比較して、相対的な効果を測定します。競合他社と活動を比較することで、自社の市場で、どの立ち位置にいるのかを確認することができます。
比較するときに、適切な競合企業を選定し、共通指標の選定をします。それにはデータの収集が重要になります。競合と比較することで相対的強みや弱みを把握します。今後の立案に向けての効果的なアクションプランを立てていきしょう。
数値では表すことができないデータの分析も継続的に行います。ここから、競合企業の特性が理解できるようになることもあります。
クロスチャネル分析する
マスメディアとオンラインメディアの指標を合わせて、総合的に広報の効果を評価することを、クロスチャネル分析と言います。分析結果を、広報戦略の予算配分の見直しなどに活用できます。マスメディアとオンラインメディアの成果指標を比較するためには、共通の基準を設定する必要があります。それぞれ特性やターゲット層が異なるため、これらの違いは考慮して適切な指標を設定します。
分析の時には、リーチやインプレッション数など、両方のメディアで測定が可能な指標を用いて評価を行います。指標を共通させるだけでなく、収集の方法や期間も統一することで、より正確な比較ができるようになります。
まとめ
企画を成功させるために目標設定と並んで大切な、効果測定は必ずおさえておきましょう。
ポイントは5つです。
●ポイント①メディア露出量、広告換算値、リーチ数、オンライン指標などを定期的に測定します。
●ポイント②広報活動の開始前後で各指標がどう変わったか比較します。
●ポイント③大きなイベントの前後で各指標がどう変化したのか測定します。
●ポイント④競合の企業と自社を比較して相対的な効果を測定します。
●ポイント⑤各メディアの指標を合わせて、総合的に広報の効果を評価します。
これらをおさえて企画を成功に導きましょう。