ベンチャー企業にこそ必要な広報活動とは?その理由とメリットを解説
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2023.04.19

ベンチャー企業にこそ必要な広報活動とは?その理由とメリットを解説

近年、我が国では、リモートワークの普及やライフワークバランスの重視など、働き方が大きく変化しています。

そんな中、毎年一定数のベンチャー企業が市場参入を果たしています。ベンチャー企業は、当然、認知率が低く、そのため、企業や商品・サービスの認知拡大を図らなければなりません。そこで必要となるのが広報活動です。

でも、ベンチャー企業ということもあり、「広報活動って言っても、何から始めたらいいのか分からない」と悩んでしまう担当者の方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、こうしたベンチャー企業における広報活動の始め方や、広報担当者が押さえておきたいポイント、必要なスキルの3つについて解説していこうと思います。

ベンチャー企業が広報活動を行う3つのメリット

ベンチャー企業

広報と言うと、大企業が行うものというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。確かに、私たちが目にする広報活動は大企業によるものが多いですが、実は、ベンチャー企業にとっても、広報活動は非常に重要な役割を持っています。そこで、まず、ベンチャー企業における広報活動のメリットをご紹介していきます。

①企業や事業の認知を拡大させることができる

普通、ベンチャー企業の認知度は低いと考えられます。しかしながら、さまざまなメディアやツールを使って広報活動を行えば、多くの人に社名を知ってもらうことができ、どのような事業を展開しているのかを理解してもらうことができるのです。さらに、商品やサービスの認知を拡大することもでき、興味を持った企業やユーザーからのアプローチが発生することも期待できます。

また、資金調達という面でも、広報活動は重要です。自社が描くビジョンや、考えている事業計画などをメディアで発信することにより、志を同じくした投資家や資本家から、資金の提供を得られることもあります。

②低予算で広報活動ができる

どうしても、広報活動はコストがかかるというイメージがありますが、実は、コストを抑えた形で、またはコストをかけずに広報活動を実行することができるのです。Webサイト上のホームページや、Twitter、やFacebookなどのSNSを使って、情報発信すれば、低コストで広報活動が可能になります。従来は郵送が主体だったプレスリリースもネットを使って配信することができ、今の時代は、ベンチャー企業でも十分に広報活動ができる環境が整いつつあります。

③社員のモチベーションを向上させることができる

メディアやWebサイト上で、自社が良いイメージを持って紹介されれば、社員は自社で働くことに自信と誇りを持つことができます。自社が有名になり、社会的な存在意義が広く知られることは、社員にとっても嬉しいことです。

また、社内の組織改編やルールの改訂など、社内情報を発信することにより、「社員を大切に思っている会社」というイメージが社員に伝わります。自社で働く社員のモチベーションが向上し、エンゲージメントの醸成に大きく役立ち、引いては、離職率の低下にもつながるのです。

 

ベンチャー企業が広報活動する際の重要ポイント

ベンチャー企業が広報活動を行う目的は、まず、何と言っても「会社を知ってもらうこと」です。企業名や事業内容を一人でも多くの人に認知してもらうことにフォーカスして、広報活動を行いましょう。それでは、ベンチャー企業が広報活動を行う際に必要なポイントをご紹介します。

①常に企画を考える「攻め」の姿勢で臨む

多くのベンチャー企業は、社名や事業内容の認知が不十分な状態からスタートします。そのため、広報担当者には、積極的に情報発信していく「攻め」の姿勢が必要です。当然のことですが、情報発信していくためには内容が必要です。どのような情報を発信していくのか、常に「ネタ」を考え用意しておくことが「攻め」の姿勢につながります。

②情報発信を継続的に行う

多くのメディアとの接点や人脈を持つ企業と違って、ベンチャー企業は、まず、メディアリレーションを構築しなければなりません。そのためには、継続的に情報発信していくことが不可欠です。

ベンチャー企業は認知度が低いという状況からして、メディアとの一度きりのコンタクトでは、企業名や事業内容を覚えてもらうことは困難です。1日に大量のプレスリリースを受け取るメディア担当者に対して、それらの情報に埋もれないよう、継続的な情報発信を行い、メディアに対する認知を深めていきましょう。

③他社の広報担当者とのつながりを作る

②で述べたように、メディアリレーションの構築は非常に大事なことですが、それだけでなく、他社の広報担当者との関係構築も有意義です。ここでは、同業の広報担当者同士がつながりを持つことで得られる利点を見ていきましょう。

●アプローチできるメディアの数を増やせる

お互いにメディア担当者を紹介し合うことで、アプローチできるメディアの数を増やすことができます。

●業界全体のトレンドや他社の活動状況が把握できる

今、業界全体で起きている話題や事例について情報交換することができ、同時に、同業他社の広報活動が把握できます。

●孤独感を癒し、相談することができる

ベンチャー企業の場合は、社内に相談できる人がいないというケースも多いでしょう。そんな時、同業他社の広報担当者とつながりを作っておけば、お互いが持っている問題点や課題を相談し合うことができ、また、孤独感を癒すこともできます。

 

ベンチャー企業が広報活動を始める3つの手順

では、ベンチャー企業の広報担当者が広報活動を始める場合、何から着手したらいいのか、どのような手順で進めていけばいいのか、について解説します。

①自社について知る

まず最初は、自社のことを熟知し把握することから始めます。自社の持つフィロソフィ(理念)やプロフィールはもちろんのこと、事業内容、商品やサービス、などについても、今一度しっかりと理解します。

②年間のスケジュールを作成する

 次に、年間を通して行って行く広報活動をスケジューリングします。スケジュールはざっくりとしたもので構いませんが、社会のトレンドや歳時記、同業他社の動きなどに合わせて作成することが大事です。

③勉強会やセミナーに参加する

勉強会やセミナー、広報イベントなどに参加して、広報を学ぶことも重要です。勉強会や研修セミナーに参加すると、より深い知識を習得できるだけでなく、前述した他社の広報担当者と横のつながりを持つこともできるのです。

 

ベンチャーにとって広報活動は重要な戦略である

ベンチャー企業の広報活動の目的は、まず「会社を知ってもらう」ことです。継続的に、そして丁寧な情報発信を行うことが、ベンチャー企業の広報活動にとって非常に重要な業務となります。

雑多な業務に追われる中で、ベンチャー企業の広報担当者にはさまざまな苦労があります。心身共に疲れてしまうこともあるでしょう。しかしながら、一方で、社長や経営陣に近いところで仕事ができ、会社の情報が入手しやすいといった利点もあります。広報戦略の企画から実施に至るまで、全ての行程に関わることができ、自らの手でメディアリレーションを構築することもできます。そして、そこで学んだ知識やノウハウ、マスコミ人脈は、広報に携わる人間として、貴重な財産となることも忘れないでください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
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③:プレジデントでの連載記事
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