広報担当者の重要業務であるプレスリリースの基本を学ぼう!
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2023.07.11

広報担当者の重要業務であるプレスリリースの基本を学ぼう!

広報担当者の重要な業務のひとつに「プレスリリースの発信」があります。ひとりで広報担当者になっても、この業務は必ず遂行しなければなりません。

とは言うものの、プレスリリースという言葉は聞いたことがあっても、初めての広報業務ということもあり、具体的にどんなものなのか、よく分からない場合もあるでしょう。でも、プレスリリースの本質や意義、そもそもプレスリリースとは何なのかを改めて理解しておけば、ひとりでも心配することはありません。

そこで、今回の記事では、代表的な広報ツールのひとつ、プレスリリースについて知っておくべき基本的な知識を、4つのポイントにまとめてご紹介していきたいと思います。

*人気記事:プレスリリースとは?意味や配信する目的、効果・メリットを解説

プレスリリースの語源って何?

プレスリリースの基本

プレスリリースとは、企業や団体が発信する公式文書のことを言い、語源は、プレス(press/報道メディア)とリリース(release/公開・発表)の2つの言葉の組み合わせから来ています。

プレスリリースの内容は、リリース(release/公開・発表)という言葉の通り、現在まで公表されていなかった新しい情報を発信することが前提で、未発表の会社情報、新しい商品やサービスの情報、などが中心となります。未発表の会社情報には、新しい合同事業や新技術の開発などの他、会社の経営や組織に関する情報も含まれます。

*参考リンク:プレスリリースの語源(ウィキペディア)

プレスリリースはなぜ必要なの?

メディアは企業や団体からのプレスリリースを見て、興味や関心のある情報をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Webサイトなどにニュースとして掲載します。メディアが企業や団体に代わって、伝えたい情報を一般ユーザーに広く発信してくれるのです。逆の見方をすれば、プレスリリースはメディアにとって大切な情報ソースであり、ニュースの宝庫と言うこともできます。そして、ニュースという特性を考えれば、その情報が最新のものであり、未発表のものだと、メディアは大きな関心を寄せるのです。

プレスリリースの発信は、自社が伝えたい最新の情報をいち早く、そして広く世の中に告知するためには非常に有効で大事な広報ツールの1つと言うことができます。

トレンドと共に変化するプレスリリースの発信

プレスリリースと言えば、少し前までは、メディアにDMで送付するスタイルが主流でした。しかし、現在では、ネット環境の整備や普及が促進され、Webサイトやメールを使って発信されるケースが増えています。

また、従来は発信先がメディア各社、ステークホルダーだったのに対し、最近はホームページやメルマガを利用して一般ユーザーに直接発信することも可能になりました。こういったWebサイトやメルマガなどを使った発信には、一般ユーザーが面白いと思ってくれれば、自身のSNSなどで情報を拡散してくれるという大きなメリットがあります。

プレスリリースに求められる情報の特性とは

メディアが関心を持って取り上げてくれる情報には、いくつかの特徴があります。以下、簡単にその項目を6つあげておきます。

①未発表の新しい情報であること

②驚きなどインパクトのある情報であること

③社会的に意義のある情報であること

④タイムリー性のある情報であること

⑤希少性のある珍しい情報であること

⑥心温まる感動的な情報であること

プレスリリースがもたらす5つの効果

効果①メディアへの掲載を通じて商品・サービスの信頼度が高まる

プレスリリースの発信を機に、メディアが各媒体に情報を掲載してくれれば、企業が伝えたい情報が一気に広範囲に告知されます。また、そうして掲載された情報にはメディアの客観的な視点が加わるため、信頼性の高い情報としてユーザーに伝わります。取材記事と同様、この点は広告と違うプレスリリースの大きな利点と言えます。

効果②ステークホルダーに直接情報発信ができる

プレスリリースは、メディアに掲載されることで、企業情報が信頼性をもって広く告知されるというメリットを持つ一方で、ユーザーを含めた全てのステークホルダーに直接発信できるので、企業自らの思いや背景を併せて伝えることができます。特に、株主や投資家などの関係者には、情報内容から自社の将来性や可能性を示唆することができるのです。

効果③コラボレーションや採用に二次効果が期待できる

プレスリリースは、発信した情報がメディアに掲載され、それを見たユーザーに自社の商品やサービスを購買・利用してもらうことが目的ですが、それだけではない二次的効果が期待できます。商品やサービスに対する自社の情熱や思い、社会に対する献身的な取り組みなどが伝わることで、共同事業や資本参加などを希望する企業が現れる可能性が生まれます。また、リクルート面でも、新卒者に「こんな会社で働きたい」という思いを抱いてもらうきっかけとなり、好影響が期待できます。

効果④反響をリサーチすることで、今後のマーケティング戦略に生かせる

プレスリリースは発信したら終わりではありません。発信後の反響をリサーチすることも大事な業務となります。SNSなどで、どのような反響があったか、などは企業にとって重要なデータとなるからです。

例えば、F1層をターゲットにした新商品をプレスリリースで発信したところ、SNS上では意外にもF2層の関心が高く、多くの書き込みが見られた、などといった場合、この反響リサーチは、同商品の今後のマーケティング戦略に大きく生かせることになります。

効果⑤広報活動が比較的低コストで遂行できる

代表的な広報活動であるプレスリリースの発信は、広告やイベントなど他のプロモーションやPR施策に比べて、コスト面で大きなメリットがあります。つまり、あまり費用がかからないということです。配信サービスを利用したとしても、その費用は広告に比べ、かなり押さえることができます。広報活動の費用対効果を考えた上でも、広報に計上された予算(費用)を効率よく使い、他の施策との最適なコスト・バランスを取ることも可能です。

プレスリリース作成のスキルを上達させるための注意点

このように、広報担当者にとって、プレスリリースは、二次的効果も期待できる非常に有効で比較的安価なツールです。しかしながら、その反面、発信する情報の内容や、発信後のフォローなど、様々なチェックと対応が必要になります。最後に、プレスリリース発信における心構えと注意点を3つご紹介しておきます。

メディアやユーザーは何に興味を持っているか常に社会にアンテナを張っておく

先にも述べましたが、メディアが取り上げたくなる情報の特性、「情報の価値」を熟知し、日頃から、社会のトレンドや消費者インサイトに注意を払っておきましょう。

メディアの報道内容には介入できない

取材記事同様、メディアが掲載した記事の内容には介入することができません。従って、誤解や間違った認識が生じないよう、プレスリリースは細心の注意を払って作成することが大事です。

メディアに掲載されると問合せが急増するため、万全の体制を構築する

問合せが急増することは嬉しい悲鳴でもありますが、対応をしっかりとしないと逆にイメージダウンにつながります。対応人員を増やしたり、大量のアクセスでサーバがダウンしないように万全の対応を心がけましょう。

比較的コストがかからず、それでいて効果絶大のプレスリリース。「ひとり広報」でも使える必殺技として、効果的な広報活動のために役立ててください。

*人気記事:PR会社一覧を紹介!厳選20社ランキングとカオスマップ


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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