【現役広報が教える】著作権違反には要注意!報道実績の二次利用手順とメリット・デメリット
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2022.08.04

【現役広報が教える】著作権違反には要注意!報道実績の二次利用手順とメリット・デメリット

広報活動が順調に進んでいくと、当然「メディア露出」が増えていきますよね。

そんなとき、気を付けたいのが著作権違反ですよね。「新聞で取り上げられた!」というだけで満足せず、著作権違反を順守した報道実績で、さらなる波及効果を狙いましょう。

*記事を書いた人:「めざましテレビ」元放送作家の著者プロフィールはこちら

 

著作権違反にならない報道実績の二次利用3つのメリット

報道実績のメリット1)営業用資料などとして活用できる

営業相手に対して文字の情報や撮影風景だけでも、「こちらのメディアに掲載されました」と示すことができますよね。なにか長々と説明するよりも、報道実績を資料として見せたほうが手早く信頼を獲得できるかもしれません

また、「採用活動時における説明資料」としても利用できます。「このような信頼・実績がある弊社にぜひ就職してください」というアピールですね。

報道実績のメリット2)自社サイトに報道実績を掲載しておけば確認してもらえる

自社ホームページなどに報道実績を載せておけば、こちらからアクションを起こさなくても多くの人に確認してもらうことができます。

特に「新しい会社と取引することになった」というシチュエーションでは、真っ先にその企業の報道実績を調べる人も少なくありません。また、記者や編集者などもほぼ間違いなく報道実績を確認します。

ちなみに、記者や編集者は「これだけ報道されているということは、また報道したらウケそうだ」と考える生き物です。

「これだけ報道されているということは、もう新鮮味がないだろうな」などとは考えないので安心してください。それから、「これだけ報道されているのだから、きっとウチの取材も断らないだろう」とも思ってくれますよ。

報道実績のメリット3)「反社会的企業ではないこと」の証明になる

取材実績があれば、例えば「暴力団のフロント」など反社会的企業ではないと考えてもらうことができます。

近年メディア側も、そのあたりのことには慎重になっています。

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報道実績の二次利用をするときの注意点2つ

注意点1)著作権違反などに気を付ける

例えば、「自社情報が掲載された新聞記事」であっても、広報担当者や企業側が著作権を保有することは基本的にありません。著作権について考える場合は、「自社情報が載った記事を使う」のではなく、

単純に「新聞記事を使う」と捉えるほうが分かりやすいです。

・新聞記事
・テレビ番組の一部
・インターネット記事

などなどなんらかの「著作物」を扱う場合は、必ず「他者の権利を破っていないかどうか」を確認しましょう。

また、必要であれば絶対に権利者からの許可を得てください。このとき使用料が発生するケースが多いですから、「使用料を払う価値があるほどに、活用できるか」を冷静に判断しましょう。

ちなみに、「新聞記事の切り抜きをコピーして、社員にだけ配る」というのも原則としてNGです(配布厳禁という意味ではなく、使用料が必要ということです)。

正直なところ、このあたりの権利の扱いをなあなあにしている企業・広報担当者は少なくないはずです。ですが、例えば「ウチの会社って、新聞記事の切り抜きを配布してくれるんだよね」という情報がどこかから広まってしまえば、信頼性がガタ落ちしてもおかしくありません。

注意点2)「掲載メディアリスト」は競合他社が欲しがる情報です

ホームページに「掲載メディアリスト」を出すときは、「単なるメディア名の羅列」にしておけば、使用料が発生することは基本的にありません。(ただし「記事タイトル名+記事URL」を載せるだけでも使用料を払う必要があるメディアも存在するので気を付けてください)

そして、その「掲載メディアリスト」は競合他社が喉から手が出るほど欲しがっている情報でもあります。「ゼロから掲載されるメディアをリサーチする」よりも、「他者の掲載メディアリストを参考にして、同じメディアにひたすら声をかける」という手法のほうが圧倒的に効率的ですよね。

ですから例えば、「ここの記者とは個人的にかなり深い関係を築けている」というメディアは、リストに掲載しないようにするなどの工夫をしましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
テレビコメンテーター・経済記者
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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