広報のタイアップ企画を成功させるコツや効果・進行方法8ステップを解説
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2025.03.26

広報のタイアップ企画を成功させるコツや効果・進行方法8ステップを解説

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、タイアップ企画を成功させるためのステップ解説などをしていきます。

「自社でタイアップ企画の話が出ているものの進め方がわからない」「どうすれば成功するのかわからない」という広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、タイアップの概要、タイアップに期待できる効果、そしてタイアップ企画を進めるためのステップなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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そもそもタイアップとは?

タイアップとは、「複数の企業・団体やコンテンツと連携して、タイアップをメインとするマーケティング活動や広報・PR活動をすること」を指します。企業が他の企業とタイアップすることもあれば、キャラクターや学生団体などの企業でないものとタイアップする場合もあります。

コラボレーションとは別物

タイアップと似ている施策として「コラボレーション」がありますが、こちらは例えば「コラボレーションする企業A」と「コラボレーションする企業B」の立場は基本的に均等であり、両者が同等のメリットを得ることを目的とする場合が多いです。

一方、タイアップでは原則として「メインの企業」がいて、主にその企業が利益を得るために、「タイアップ先」の価値(ブランド力など)を使わせてもらうことになります。

なお、やっていることはタイアップだとしても「宣伝っぽさ」を抑えるために、あえてコラボレーションと銘打つ場合もあります。もちろん一般消費者がタイアップとコラボレーションの区別をつける必要はありませんが、広報・PR担当者は「実質的に何をしているのか」を理解しておきましょう。

タイアップに期待できる広報・PR関連の効果3選

タイアップに期待できる主な広報・PR関連の効果は以下の通りです。

  • 一般的な広報・PR施策やマーケティングよりも信頼されやすい、親しまれやすい
  • それだけで話題性を作ることができる
  • 「タイアップ先のファン(例:アニメファンなど)」など新しい属性にアプローチできる

タイアップ企画も世の中に多いためそれだけでは埋もれてしまいますが、「タイアップ企画をする」というだけでも最低限の話題性が確保されることは確かです。

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広報・PR担当者がタイアップ企画を進めるための8ステップ

それでは広報・PR担当者がタイアップ企画を進めるための手順をステップ分けして解説していきます。言ってみれば「タイアップ先と組むだけ」ではあるのですが、それを成功させるまでのタスクが少なくはありません。

ステップ①:タイアップの目的やゴールを明確に決める

まずはタイアップの目的やゴールを明確に決めましょう。そうでなく「流行り(タイアップ先)に乗りたい」「何か楽しそう」くらいで初めてしまうと、思うような結果が出ない可能性が高いです。

目的としては例えば「売上アップ」「認知度アップ」などがありますが、これらの数値目標をハッキリと定めることが大事です(場合によっては後で調整するので、絶対に動かせない数値ではありません)。

ステップ②:どのようなタイアップ企画・タイアップ先なら目的を達成できるのかイメージを持つ

続いてはどのようなタイアップ企画・タイアップ先なら目的を達成できるのか、おおよそのイメージを持ちましょう。

例えばタイアップ広告を出すのか、キャンペーンを行うのか、タイアップ商品を出すのか・別の企画で留めるのか、など。

さらにアニメ・ゲーム系か、キャラクターか、企業か。大手か中小か、メジャーかマニアックかなど、タイアップ先のイメージもしておきましょう。

ステップ③:タイアップ先を決める

目的やゴール、そして作っておいたイメージを軸に、タイアップ先を決めましょう。ただ、良さそうに見える企業・団体でも、話を詰めると「合っていない」と判明する場合や、話が途中消滅する可能性も。そのため、まずは複数のタイアップ先候補をリストアップすることをおすすめします。

リストアップ作業の段階では「イメージ先行」で構いませんが、比較検討の段階に入ったら「実際の数値・事実重視」で考えましょう。例えば、タイアップやコラボレーションの実績、直近のタイアップ、顧客属性などを調べます。

自力でリサーチするのが難しい場合は、予算次第ですが広告代理店などを使うのもいいでしょう。ただ、その前に目当ての団体・企業などに、直接問い合わせてみることをおすすめします。

ステップ④:タイアップ計画の決定|ステップ⑤と合わせて柔軟に進めていく

タイアップ先の企業・団体などが決定したら、タイアップ企画の立案を進めて、最終的に決定まで持っていきます。この際、企画内容だけでなく主に以下のことも決めていく必要があるので、早めかつ迅速に動くことが大事です。

  • 目的やゴールの再決定・調整
  • タイアップ企画開始~終了までのスケジュール
  • 用意する物、制作物などのリストアップ
  • タイアップ先とのやり取り方法(定例会議、メール、面談など)

ステップ⑤:タイアップ先へのオファー|ステップ④と合わせて柔軟に進めていく

続いてタイアップ先に正式にオファーを出します。優先順位が高い企業・団体からオファーを出していき、断られたら次の順位の企業・団体にオファーしていく……という流れです。当然ながら相手企業・団体にも都合があるので、早めに動き出しましょう。

なおステップ分けはしましたが実際には「計画」と「オファー」は並行して柔軟に進めていくべきです。例えば、「タイアップ先がどこになっても成立する範囲の計画を立てる」→「タイアップ先が決まる」→「最終調整」→「最終決定」という流れになる可能性もあります。

また、タイアップ先が早く決まって、そこから計画の大半を立てることになるケースも考えられます。いずれにしても広報・PR担当者には臨機応変さと、「本来の目的・ゴールを見失わずに、動き続ける力」が求められるので頑張ってください。

ステップ⑥:タイアップ企画の具体的な準備(タイアップ商品の制作、広告掲載など)

ステップ⑤までで諸々が最終決定したら、いよいよタイアップ企画の開始に向けて具体的な準備をスタートさせます。例えばタイアップ商品制作の開始、広告掲載開始、タイアップ用SNSアカウントの準備や運用開始など。

ステップ⑦:タイアップ企画の開始|トラブル対応も必要

準備が完了したらタイアップ企画の開始です(開始日までに準備を終わらせる必要がある)。

基本的には当初のスケジュール通りに進めていくべきですが、予期せぬトラブルが起きるケースも当然あります。そのため以下のことをスケジューリング段階で思考・決定しておきましょう。

  • どのようなトラブルが考えられるか(フォロワー数など目標に全く届かない進捗、関係者の不祥事など)
  • それぞれのトラブルにどれくらいのリソースでどう対応するか
  • 広報・PR担当者はどう対応するか(広報・PR方法を変えるか、緊急的な広報・PRをするかなど)

「想定していたことそのもの」なトラブルが起きるとは限りませんが、様々にシミュレーションしておくことでどのようなトラブルでも対応しやすくなることでしょう。

ステップ⑧:効果測定

タイアップ企画が終わったら効果測定をします。具体的には目的・ゴールを達成できたか、どれくらい認知度が上がったかなどを測定しましょう。さらに主に以下のことも考えます。

  • 改善点はあるか
  • それをどうすれば改善できるか
  • 予定を超えて良かった点はあるか
  • 効率を上げられる要素はあるか

こうしてPDCAサイクルを回すことはタイアップ企画以外の広報・PR活動でも重要ですし、タイアップ企画で得たノウハウを別の広報・PR施策に活かすこともできるので、怠らないようにしましょう。

✅効果測定や振り返りは早めに行う

効果測定や振り返りは早めに行いましょう。理論的には数的データが残っていれば後からでも測定できます。しかし例えば「広報・PR担当者のストレス」「タイアップ先企業との空気感」など、データだけでは測れないこともあるので、記憶が残っているうちに済ませましょう。

できれば最初のスケジューリングの段階で、効果測定や振り返りの日程や段取りについても決めておくことをおすすめします。

タイアップ企画を成功させるには広報担当の柔軟性が重要(まとめ)

タイアップ企画について「華やか」「楽しい」というイメージを持っている広報・PR担当者は多いと思いますし、実際にユーザーに与える印象はそのようなものであるべきです(特殊なタイアップ企画を除いて)。

ただ、その裏で広報・PR担当者をはじめとする人は、計画性や柔軟性を持って軽いフットワークで積極的に動く必要があることを忘れないようにしましょう。「タイアップ先」という相手がいる話なので、常にスピード感が求められます。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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