新製品・新サービスを効果的に広めるプレリリース作成と配信のポイント4選
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2025.02.27

新製品・新サービスを効果的に広めるプレリリース作成と配信のポイント4選

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、新製品・新サービスに関するプレリリースを作成するにあたってのポイントなどについてお伝えしていきます。

「新製品・新サービスの情報はインパクトがあるので雑にプレリリースを作成してもメディア掲載される」と思っていると失敗する可能性が高いので注意点が必要です。

本記事では広報・PR担当者の皆さんを主な対象として、新製品・新サービスのプレリリース配信をするメリット、作成時のポイント、そして注意点などに関して解説します。

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新製品・新サービス関連のプレリリースを配信する主なメリット3つ

それでは新製品・新サービス関連のプレリリースを配信する主なメリットを見ていきましょう。新製品・新サービスのプレリリースは他のネタに比べて書きやすいと思いますが、どのような強みがあるのかも把握した上で作成しましょう。

メリット①:「新しい」というニュースバリューが確保されている

メディア関係者は「ニュースバリューがどれくらいあるか」、つまりニュースにするだけの価値がどれほどあるかという観点でプレリリースなどをチェックしています。

そして新製品・新サービスは「新しい」というだけで最低限のニュースバリューが確保されているため、他のネタと比較してメディア採用されやすい傾向にあります。

メリット②:競合他社や類似製品・サービスとの差別化ができる

新製品・新サービスとはいってもよほど特殊なものでない限り、探せば類似製品・サービスが既存のものから出てきてしまうものです。もしリリース時点で類似品がないとしても、競合他社が後追いで類似品を発売する可能性もあります。

ですがプレリリース配信からメディア掲載されることによって、人々に製品・サービスの魅力や他との違いが伝われば、いわゆる「差別化」ができることでしょう。そうなれば、「数ある製品・サービスの中からあえて選ぶ理由」が生まれるので、売上アップなどにつながるかもしれません。

メリット③:企業理念やブランドについてのアピールにもなる

長期的に見れば、企業理念やブランドについて広い範囲(一般消費者、メディア関係者、株主、取引相手など)にアピールすることはとても大事です。そうして浸透していくからこそ利益などが安定したり、信頼されたりするものです。

そのため新製品・新サービスのプレリリースにおいても、「開発の背景」「開発までのストーリー」などから企業理念などを見せることができます。

特に重要なのは、新製品・新サービスを通じて、「どのように社会貢献したいか」「どのような社会にしていきたいか」という内容を入れることです。

新製品・新サービスに関するプレリリースの重要ポイント4選

それでは新製品・新サービスに関するプレリリースを作成するにあたっての重要ポイントをいくつか紹介していきます。他のタイプのプレリリースを作る場合にも参考になることが多いはずですので、ぜひチェックしてください。

ポイント①:5W+2Hを載せてわかりやすくする

つまり「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」の5Wと、「どうやって(How)」と「何円で(How much)」を入れるということです。

絶対に入れなければならないわけではありません(どこで、は入れにくいかもしれません)が、含める方が全体がわかりやすくなりますし、作成者としても迷わず書きやすくなることでしょう。

ポイント②:画像は多めに

プレリリースには画像を多めに入れましょう。特に製品の画像については、単体アップ画像、引き画像、人物との画像、実際に利用している画像など色々と種類を作りつつ、5枚以上は載せることをおすすめします。

無形サービスの場合は画像を用意しにくいですが、それでも「利用しているイメージ画像」「サービスで期待できるビフォーアフター」など様々に用意できるはずです。

そしてプレリリース内で文章→画像→文章→画像……と交互くらいに載せることで、全体にメリハリが出て、同じ内容でもよりメディア関係者にとって魅力的に見えやすくなります。

✅すべての画像が使われるわけではないからこそ多めに用意する

「多く画像を用意しても全部使われるわけではないから無意味」と感じるかもしれませんが、そうではありません。

実際には、「多く用意するからこそ、そのうちのどれかを使ってもらえる可能性がある」、もしくは「画像自体は使われなくても、イメージしやすくなって採用率が上がる」のです。

ポイント③:元々あるニュースバリューをさらに際立たせる|できる限り「新しい」以外のバリューを作る

先ほどもお伝えしましたが、「新しい」だけでも最低限のニュースバリューは確保されます。しかし、できる限りそれ以外のバリューも際立たせる形でプレリリースを作ることで、メディア採用率が上がります。

ニュースバリューになりやすい要素は主に以下の通りです。

  • トレンド
  • 季節ネタ
  • 地域性(ローカル新聞・番組を狙う場合は特に効果的)
  • 独自性、新規性(オリジナリティがある、前例が少ないなど)
  • 最上級(ただし最上級であることを示すデータなどが必要)
  • 希少性(こちらもデータで希少さを示したい)
  • 逆説(あえて主流から外したような製品・サービス)
  • 社会性(知りたい人が多い情報。知りたい人が多いという根拠が必要)
  • 公益性(発信することで世の中の役に立つ情報)

どのような新製品・新サービスも、この中のいずれかの要素を含んでいる可能性が高いので、その要素があることをわかりやすく説明するような文章やデータを入れると説得力やインパクトが増します。

ポイント④:新製品・新サービス開発の理由、背景、ストーリー、今後の展望などを入れる

ある程度のストーリー性があると読者・視聴者などからの反応も良くなるので、プレリリースには新製品・新サービス開発の理由、背景、ストーリー、さらには今後の展望なども入れることをおすすめします。

具体的には「このような社会背景や課題がある」→「その解決策としてこの新製品・新サービスの開発を思いついた」→「今後も○○で世の中の役に立ちたい(展望)」という流れにすると、読みやすく、書きやすくなります。

新製品・新サービスのプレリリースを作成にするにあたっての注意点3選

続いては新製品・新サービスに関するプレリリースを作成するにあたっての主な注意点を紹介していきます。特に新製品・新サービスを出す頻度が低い企業の場合、このタイプのプレリリースを作成・配信できる機会も少なくなるのでチャンスを大事にしましょう。

注意点①:客観性を重視して作成する。「想い」「気持ち」の優先順位は低い

特に苦労して開発した新製品・新サービスであるほど、「想い」「気持ち」をプレリリースに込めたくなるでしょうし、それも不要というわけではありません。

ただ、あくまでメインは「客観的な情報」の部分です。なので、客観的な事実(製品名、使用、客観的な特徴・特長など)を先に書き、その後に「開発背景」「開発者コメント」などの限られたスペースに気持ちの部分を入れることをおすすめします。

✅読み手の立場で考える

メディア関係者でも、メディア掲載されてから記事・番組などに触れる一般人でも、あまりにも「企業側の主観的な感情」を浴びせられると、「それは知ったことではない」「良いから早く具体的な情報を見せてほしい」という感覚になるものです。

プレリリースを作成する側からすれば残酷な事実に思えるかもしれませんが、常に「読み手はどう思うのか」を意識して書き進めることが大事です。

注意点②:むやみに形容詞を使わない

例えば「スタイリッシュな」「人気の」「かわいい」などの形容詞はむやみに使わないことをおすすめします。形容詞を多用すると、文章全体が抽象的で何かをごまかすような印象になりやすいためです。

ただ、一例として「かわいさを狙った」など、「その形容詞の状態になることが目的」というタイプの表現ならそれほど不自然にならないことが多いので、全体のバランスを見て必要であれば形容詞も使いましょう。

一方、「人気のある弊社の商品A」など、「何かを褒めるため」に形容詞を使うと大きく説得力が下がりやすいので好ましくありません。この場合は、「売上年間1万個の」「リピート率○%」など具体的な数値で、「人気があること」を示しましょう。

注意点③:誇張しない

例えば「日本初」「世界最大」などの誇張表現は基本的にNGです。誇張でなく本当に「日本初」である場合は、日本初であることを示す客観的な証拠やデータが必要です。

また、「世界トップクラス」であれば「虚偽」とまでは言いにくいですが、プレリリースを読む側としてはごまかされた印象になる可能性が高いです。この場合は、「世界第○位」「世界で上位○%に入る」など、やはり具体的な数値を出しましょう。

新製品・新サービスを効果的に広めるコツまとめ

新製品・新サービスの情報はプレリリースのネタとして使いやすいですし、企業にとっても非常に重要であるはずです。そして「新しい」という時点で最低限のニュースバリューはあるものの、それだけではメディア掲載されにくいともいえますので、ぜひ本記事の内容などを参考にしてください。

特に初めて新製品・新サービスのプレリリースを作る広報・PR担当者に多いのが、「想い」「気持ち」を最優先にしてしまうというミス。率直に言って、基本的に「他人からすれば知ったことではない部分」ということを忘れないようにしましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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