広報担当者が知るべきオウンドメディア活用術・注意点・運用のコツ5選
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2023.06.22

広報担当者が知るべきオウンドメディア活用術・注意点・運用のコツ5選

今回は、広報担当者が知っておくべき「オウンドメディアの活用術」について解説したいと思います。

まず、オウンドメディア(Owned Media)とは何か、から見ていきましょう。オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことで、Webサイトにおけるホームページやブログ、SNS、社内報や広報誌、会社紹介のパンフレットなどを総称して言います。しかしながら、近年では自社で運営・情報発信するホームページやブログなどWebサイトに特化して使われるケースが多いようです。

広告費を払って情報を発信する「ペイドメディア」、SNSのような情報共有・拡散のための「アーンドメディア」と合わせ、オウンドメディアは企業のPRマーケティングの中心となるメディアなのです。

今回の記事は、時代性を鑑み、これらオウンドメディアを「広報担当者が自社で運営するホームページやブログなどのWebサイト」と定義して話を進めていきたいと思います。

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オウンドメディアの役割

オウンドメディア

現役の広報担当者がアンケートに答えてくれた結果、オンドメディアの役割は以下のようなものとなります。

●企業の知名度アップ、認知の向上
●企業イメージのアップ(ブランディング)
●企業の姿勢や活動に対する理解促進
●自社の商品・サービスに対する認知の向上と理解促進
●新規顧客獲得の窓口
●既存ユーザーのロイヤリティの向上
●採用・リクルーティング効果

それでは、広報担当者がオウンドメディアを活用する際の大事なポイントをいくつか考えてみましょう。

広報担当者がオウンドメディアを活用する3つのポイント

続いて、広報担当者がオンドメディアを活用するポイントとコツについてまとめてみました。

① マーケティングにおける費用を効率化

最近、注目を浴びているリスティング広告は、出稿後すぐに結果が現れ、期間を限定したキャンペーンなどのマーケティング施策には適していますが、効果を持続させるためには広告出稿を続ける必要があります。一方、オウンドメディアは自社独自のチャネルであり、無料で情報発信ができます。オウンドメディアを持つことは、マーケティング予算の効率化や最適化につながるのです。

② 検索エンジンを活用する

商品やサービス名を検索してユーザーが自社サイトを訪れてくれるのが理想ですが、ユーザーが自社サイトを訪れるに至った経緯は実に様々です。そんな時、検索エンジンを利用して、ユーザーがどのようなサイトやキーワードを経由して自社サイトに来たかを確認することができます。このサイトやキーワードを割り出すことで、ユーザーのライフスタイルが把握でき、今後のマーケティングデータとして大いに活用できるのです。

③ コンテンツを資産化として活用できる

日々、自社サイトを訪れた人数やPV数、時間帯やプロフィールなどが記録されるので、これらはユーザーの貴重なデータとして資産化することができます。また、自社サイトに寄せられたコメントなどは、ユーザーの生の声として、とても重要な資料となります。オウンドメディアは、マーケティング戦略の一環として制作したコンテンツを収納し、バックナンバーとして保管する機能を持ちます。

オウンドメディアを活用したPR戦略

対象となるユーザーに、日々流れて来る大量の情報の中から自社のホームページ、コンテンツを見てもらわなければなりません。

ユーザーが興味を持つのは自分の「気になること」や「悩みを解決してくれる」記事です。オウンドメディアを活用する時のポイントは、商品情報やキャンペーン告知のような「企業が伝えたいこと」ではなく、「ユーザーが興味を持っていること」をコンテンツ化し記事にすることです。

今すぐに直接的に購買に結び付くことはないにしても、「このサイトを見て問題が解決した」とか「毎日の生活に価値ある情報を得られた」と好感を持ってもらうことで、最終的に商品やサービスを購入してもらえる確度を高めることになるのです。

続いて、オウンドメディアにおけるKPIの設定について、時系列に見ていきましょう。

オウンドメディアにおけるKPI設定のコツ5選

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標の意味です企業のマーケティング目標を達成するために設定する中間目標のことを指し、KPIを設定することで目的の達成度合いを確認することができます。KPIは個人やチームが目的の達成に向けてどのようにアクションすればいいかといった日々の業務の指針ともなります。

オウンドメディアにおけるKPIとは、訪問者数や資料請求数、問合せ数など、具体的な数値によって設定されます。そのため、KPIはチームや個人が目標達成に向けてどうアクションすべきかといった日々の業務の指針ともなります。ただ、KPIは最初から大きな数値で設定すれば良いというものではありませんでは、KPIの設定はどのように行えば良いのでしょうか。今回は、広報担当者が知っておくべき5つのポイントを考察していこうと思います。

KPIの設定①KGIを明確にしてからKPIを設定する

KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、最終目的のことを言います。広報担当者がPRを目的としてオウンドメディアを活用する場合は、PR戦略の中で何を実現したいのかを考えKGIを設定します。KGIを設定せずにオウンドメディアを始めてしまうと、コンテンツの内容や選定が定まらないまま迷走し、結果的に時間とコストを浪費してしまいます。KGIを設定し最終目的を定めることで、広報担当者はゴールに向かってより明確で効果的なマーケティング戦略を構築することができるのです。

KPIの設定②効果測定可能な具体的な数値を設定する

KPIは、抽象的な指標を掲げるのではなく、具体的、且つ測定可能な数値を設定するのがポイントです。目標を数値で表すことで、より目指す到達点が明確となり、効果測定と分析がしやすくなります。尚、測定可能かどうかは、計算式を作ることができるかどうかで確認できます。

例えば、資料請求をWebサイトの目的としている場合、訪れたユーザーのうち資料請求を行ったユーザーの割合がコンバージョン率となり、この数値をKPIに設定することができます。KPIを設定する項目は資料請求の他にも、会員登録数、商品の購買(購入)数、問い合わせ数やコメント数などがあります。

KPIの設定③現実的(実現可能)な数値を設定する

夢と希望を胸に、大きな数値を掲げるのも大事ですが、現実的に可能かどうかという判断を客観的に行うことも必要です。到底達成できないKPIを設定してオウンドメディアを始めてしまうと、業務に不要な負荷がかかったり、焦りや不安の末、施策でミスを起こしてしまいがちです。KPIの数字が達成可能かどうかは、過去の事例やこれまでの経緯、広報キャンペーンの期間やリソースを考慮して考えましょう。

KPIの設定④中長期も視野に入れて数値を設定する

オウンドメディアによるPR活動は、コンテンツや記事を作成してから結果が出るまで時間がかかります。広報PR活動自体が多くの人に認知されること自体に時間がかかるだけでなく、コンテンツの内容や自社のキャンペーンが認識されるまでには、さらに時間もかかります。そのためには、短期集中型のKPIを設定するだけでなく、中長期的なKPI設定も視野に置いてオウンドメディアを活用するのが良いでしょう。ゴールに向かって適切に進んでいるか、ゴールとの距離はあとどのくらいか、中長期のKPIでそれらを確認することができます。

KPIの設定⑤期限・期間を設定する

KPIを設定する際、期限を設定することが絶対必要です。逆に言えば、期間を設定しないとKPIを設定できないと言っても過言ではありません。

例えば、「わんこそば」の日本記録は258杯だそうです。お客さんは食べる前に「自分は110杯」、「私は75杯」と目標数値を設定しますが、これは5分間という時間(期間)が決まっているからこそ立てられる数値です。110杯や75杯がKPIとするならば、この5分間という時間(期間)設定は不可欠な要素となります。同様に、オウンドメディアを使った広報PR活動も期間の設定がないと、具体的な数値が出せず、結論としてKPIの設定が難しくなるのです。

期限・期間をきちんと設定しないと、せっかくオウンドメディアを活用したPR活動を始めても、定期的な検証を行うことが難しく、“なんとなく”続けている形になってしまい、いつの間にか目標を見失ってしまうことにもなりかねません。

まとめ

大量の情報の中からユーザーに選ばれるためのコンテンツを作るという点で、オウンドメディアという媒体(形態)は、フレキシブルに、そしてスピーディに対応できるという点でも、今の時代と相性が良いと言えます。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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