入社式に関するプレスリリースを作成する3つのメリットとコツを紹介
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2025.09.09

入社式に関するプレスリリースを作成する3つのメリットとコツを紹介

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、入社式に関するプレスリリースを作成することのメリットなどについてお伝えしていきます。

「自社で完結する行事でしかない入社式の情報をわざわざ発信しても意味がない」と感じている広報・PR担当者は少なくないと思いますが、実はプレスリリースネタとして優秀です。

そこで本記事では、入社式に関するプレスリリースを作るメリットや、プレスリリースに入れるべき項目、さらに注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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入社式に関するプレスリリースを作成・配信する広報・PR上のメリット3つ

それでは入社式に関するプレスリリースを作成・配信することの主なメリットを紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。「自社で完結するイベント」というイメージがあるかもしれませんが、外部にアピールするメリットもあります。

メリット①:採用広報の一環になる

入社式には企業の理念や雰囲気が色濃く反映されるため、それをプレスリリースで公開すれば採用広報(就職希望者を増やす、希望者のマッチング度を上げるなど)の一環となります。

なお、より積極的に採用広報に役立てたいのであれば、入社式そのものだけでなく、入社式後のイベントや、研修プログラムなども一緒にプレスリリースに掲載するといいでしょう。

メリット②:各種ステークホルダーへのアピールになる

入社式に関するプレスリリースは、設立からの期間が長い企業の場合は「本年度も頑張ります」というアピールに、ベンチャー企業などであれば「私たちをよろしくお願いします。」「頑張ります」という決意表明のようなものとなります。

また、投資家の中には「こういった雰囲気の企業に投資したい」「相変わらず気持ちのいい企業なので投資を続けたい」と考える人もいるでしょう。さらに取引相手や一般顧客の中にも、入社式をきっかけになんらかの動きをしてくれる人もいるかもしれません。

メリット③:自社社員のモチベーションアップになる

自社社員が入社式に関するプレスリリースを読めばモチベーションアップにつながることでしょう。自社の理念や方針が改めてわかりますし、特に勤続年数が短い社員の中には「我が社はこういった発信をきちんとするのだ」と実感し、自社への信頼・愛着を強めるかもしれません。

また、プレスリリース発信を社員の家族が読めば、家族からの理解も深まり、これまで以上に応援してくれるようになる可能性もあります。これも当然、その社員のモチベーションを上げる要因になりますよね。

広報・PRの観点で入社式に関するプレスリリースに入れるべき項目5つ

続いては入社式に関するプレスリリースに入れるべき項目をいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

項目①:入社式の概要

まずは箇条書きで入社式の概要を記載しましょう。主に書くべき内容は以下の通り。

  • 日時
  • 会場(例:○○株式会社オフィス 住所)
  • 登壇者(例:株式会社○○ 代表者)
  • ゲスト(例:タレント ○○さん)
  • 参加人数(例:新入社員 ○○名)

ゲストがいなければ当然書きません。ただ、取材依頼のきっかけになる可能性があるので、あまり知名度が高くないゲストであっても必ず記載しましょう。また、これに限りませんが参加人数は四捨五入せず正確な数字を書きます。

項目②:採用実績

入社式に関するプレスリリースには、「今年度の採用人数」「前年度の中途採用人数」「採用人数の推移」などの採用実績も掲載しましょう。特に採用人数が大きく増えた場合は、事業拡大や企業の成長を強調する強力な材料になります。

これによって学生などの「これから就職する人」へのアピールにもなります。「堂々と採用人数を表に出している」という事実が若年層を安心させます。

✅採用人数が減少している場合はその理由を書くことを検討する

採用人数が減少している場合はその理由を書くことも検討しましょう。例えば「少人数を雇用することで徹底的な教育を」などプラス方向の理由がある場合は、記載することでプラスイメージにつながることでしょう。

ただ、現実にはどう取り繕ってもマイナスイメージにしかならないケースもあるはずです。それでも「今年度以降の展望」などでポジティブな印象を与えることも状況によっては可能ですが、どう記載するかは代表者などとも相談して決めることをおすすめします。

どうしてもプラス方向の書き方ができないのであれば、「今年度の採用人数」だけを書き(推移などは伏せる)、個別に問い合わせが来たら答えるなどする方法もあります(そもそもプレスリリースに絶対に書かなければならないわけでもない)。

項目③:代表者、役員、新入社員からのメッセージ・コメント

プレスリリースには代表者、役員、そして新入社員からのメッセージ・コメントを入れましょう。特に新入社員のスピーチを掲載することで、「新入社員の言葉も大事にしている企業」「新入社員ともすぐに関係性を構築する企業」などと親しみを持ってもらいやすくなります。

また、代表者や役員だけでなく、「部署代表でもない一般社員」のコメントを載せるのもいいでしょう。あえてこの立場の社員の言葉を掲載することで、さらに企業としての雰囲気を伝えたり、親近感を演出したりすることができます。

✅メッセージやコメント発表の写真・動画を多めに載せるのがおすすめ

これに限らずプレスリリースに写真・動画(動画URL)を多めに載せれば、雰囲気や熱意が伝わりやすくなるのでおすすめですが、入社式の場合は特にメッセージやコメント発表のタイミングのものを掲載するといいでしょう。

やはり「喋っている人」のビジュアル素材は親しみを生みますし、これから就職を考えている人にとっても「自分が働くならこのような感じになる」とイメージしやすいというメリットがあります。

項目④:事業内容などの活動内容

入社式の情報に合わせて、事業内容などの活動内容も紹介するのがおすすめです。メインは入社式のことなのであくまで簡単に書くべきですが、読む人が「こういうことをしている企業」と最低限のことが理解できるレベルの記載はするべきです。

また、地域活動の実績、各種イベント、社会貢献活動、ユニークな福利厚生などに関して書くのもいいでしょう。いずれにしても機械的に活動内容を伝えるのではなく、魅力をアピールするつもりで書くことが大事です。

項目⑤:入社後の研修プログラムなど

先ほども少し触れましたが、入社後の研修プログラムなどについても書くといいでしょう。具体的にはメンター制度、フォローアッププログラムなどですね。

これも活動の分量によっては全部記載することはできないと思いますが、「自社をどのように思ってほしいか」「このプレスリリースを読む人は誰で、どのような情報を求めているか」を意識すれば、情報の取捨選択がしやすくなるはずです。

入社式に関するプレスリリースの作成・配信に関する3つの注意点

続いては入社式に関するプレスリリースを作成・配信するにあたっての注意点を紹介します。

注意点①:必要に応じて入社式前にもプレスリリースを作成・配信する

多くの場合は入社式が終わってからプレスリリースを作成・配信するはずなので、ここまで紹介してきたポイントを意識しながら作れば問題はありません。ただ、入社式をネタにして報道・掲載を狙いたい、社外関係者も多く来てほしいので事前に広報・PRしたいなどの場合は、入社式に前にもプレスリリースを作成・配信することをおすすめします。

掲載・報道は「鮮度」が大事であり、入社式が終わった直後にプレスリリースを作成・配信したとしても、メディア関係者にとっては古い情報になる可能性が高いからです。入社式自体によほどメディアフックがないと取材依頼などは入らないと考えてください。

注意点②:商品・サービスのプレスリリースなどよりもさらにビジュアル素材を充実させる

すでに少し触れていますが、ビジュアル素材を充実させることが大事です。これが商品やサービスのプレスリリースならそのままでも個性を出しやすいですが、入社式に関しては多くの人が「どこも同じようなことをしている」と考えているので画像や動画で魅力を伝えることが重要といえます。

注意点③:肖像権に注意

入社式には多くの人が集まるので、特に肖像権に注意してください。「顔が映って広く公開される可能性があること」を可能な限り全参加者に承諾してもらいましょう。それが難しければ、「顔写真NGの人用のネームタグ」などを作ることをおすすめします。もしくは背後から映して顔が映らないようにするという方法もあります。

特にあまり表に顔を出して活動しない職種(技術職など)の場合、「顔が出るなど聞いていなかった(想像もつかなかった)」と大問題になる可能性があるので気を付けてください。

入社式でテレビに毎年出る企業もあります(まとめ)

入社式の情報は必ずしも大々的に公開しなければならないわけではありませんが、今回お伝えした通り広報・PRネタとしても優秀なので、プレスリリースの作成・配信を検討してみてはいかがでしょうか。特に採用人数が急増したなど明るい話題が多い企業にはおすすめです。

実際、弊社の元クライアントは、鉛筆削り入社式というワンワードで、毎年、10年近くテレビ取材を受けていました。これを広告換算日にすると、おそらく3億円はくだらないでしょう。

プレスリリースを作成するにあたって重要なのは、「誰が読むか」「その人たちはどのような情報を求めているか」「企業として特に何をアピールしたいのか」を考えて、これらを満たすような内容にすることです。ただの「情報の羅列」になっては面白くないので気を付けてください。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事