お客が自然発生的に創り出す、口コミPR

2017年12月11日

みなさんこんにちは。
いよいよ今年も残すところ、あとわずかですね。

先日たまたまwebニュースをチェックしたら、
”是非これは周りに伝えたい”と感じたエピソードを発見しました。

今回はそのネタを例に、
「口コミPR」について考えてみたいと思います。

皆さんは、多くのビジネスマンが
取引先へのお詫びの手土産として、
「切腹最中」を購入しているのをご存知でしょうか?

取引先とのトラブルが発生し、
”謝っても許してもらえそうもない、どうしよう?”
このような状況に追い込まれたビジネスマンが、
最後の手段として「切腹最中」を持参する。
(もちろん、持参しても許される保証はありません)

しかし、平日にもかかわらず店の前にはビジネスマンの行列。
多い日は、なんと7000個以上も売れるそうです。

1990年発売当初、最初は注目されていなかった商品、
「切腹」という不吉な言葉が入っているのに、
なぜヒット商品に成長したのでしょうか?

切腹最中ができた経緯は、今からから30年ほど前。
3代目が店を継いだ頃、
新正堂の当時の看板商品は「豆大福」でした。

ある日、とあるお客から「日持ちのする菓子をつくってくれないか?」と言われ、
店からは「ヒット商品を作ってほしい」といった話がありました。

「店は、忠臣蔵で有名な田村屋敷の跡地にあり、
浅野内匠頭が切腹した場所。
この地にあやかった商品をつくれるのでは?」
というのが発想の原点だったそうです。

しかし、このエリアは病院の見舞客が立ち寄ることも多いため、
「切腹とは何事か」家族には猛反対され、

アンケート調査の結果も、119人中118人が否定的。
散々な結果に終わりましたが、1人は肯定的。
その声にかけてみようと考え、
1990年に「切腹最中」を発売することになりました。

やがて、看板商品の豆大福は徐々に売り上げが減少。

約30年で、国内の和菓子屋の数は3分の1まで激減し、
大手製菓会社チェーン進出、通信販売等が普及したことが影響しました。

さらに、多くの店舗が”後継者が見つからない”
という理由で廃業しているケースも少なくありません。

切腹最中は、
忠臣蔵ファンの人たちの間で少しずつ話題になり、
徐々に売れていました。

しかし、「ヒット商品」と呼べるほど成長していませんでした。

ところがある日、ある証券会社の支店長が店に来て、
「お客様に勧めた株が大暴落し、2000万円ほどの損失を出してしまった。
これからお詫びに行くのだが、何か良いお土産はあるか?」と。

そこで「切腹最中」を差し出して、
「『詰め腹を切ってきました』と言えば、お客様も許してくれるのでは?」
と冗談で言ったところ、その支店長は本当に買っていきました。

その後、支店長は
「『切腹最中』を持参したら、笑って許してもらえた」そうです。

 その後、証券会社の支店長は、各支店長が集まる場で、
このエピソードを話したところ、
たまたまその場に居合わせた日経新聞記者から取材依頼があり、
新聞には「兜町で大人気、お詫びの品に切腹最中」と書かれました。

やがて、全国の百貨店だけでなく、羽田空港などでも発売することに。

さらに12月14日の討ち入りの日が近づくと、7000個以上売れることも。
和菓子屋は一般的には2~3月頃はあまり忙しくないのですが、
この時期に切腹最中を買う人が多いそうです。

人事異動になった人や定年退職する人が、
お世話になった人に「小さなお詫びと感謝を込めて」贈るケースが多いそうです。

このようなエピソードを分析してみると、
“お客がマーケットをつくった”
と言えるのかも知れません。

メディアに対し、
商品やサービスを直接PRするのも一つの手ですが、

切腹最中のように、
「他人に伝えたいエピソード」が人から人へ伝わることで、
結果として大きなニュースに変わる、
という方法が、
実は一番消費者の心に響くかも知れません。

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