【PR会社のテクニックを徹底解説】PR・広報の仕掛け方を考えよう
PR戦略とは
PR会社の成功事例と成果を出す8つのポイント
2022.07.20

【PR会社のテクニックを徹底解説】PR・広報の仕掛け方を考えよう

PR会社の門外不出の戦術論をすべてお話しします!

当サイトで一番の人気コラム「8×3」の法則で導き出された24通りの戦術を使って、自社の商品やサービスをバズらせるには、どうすればよいのでしょうか?

*参考記事:「8×3」の法則については【消費者が黙っていられない24つの情報をつくる!】の記事をお読みください。

PR会社に依頼する場合も、社内で自力でPRを行う場合も、まずはニュースリリースを作成し、テレビ局、新聞社や出版社、ネットニュース各社にメールかFAX、あるいは郵送で知らせるのが基本です。

「なんだ、そんなことか」「ニュースリリースが重要だなんて古い考えでしょ」と思った人もいるでしょう。
私もPRの相談をされたときに、ニュースリリースの話をすると、「もっと効率いい方法ないの?」とよく言われます。あるいは、コネでお金でテレビ出せない? とか……。そういうとき、私はこう質問します。

「ならば、あなたは実際にニュースリリースを送っていますか?」

*こちらも人気:PRと広告の最大の違い知ってる?現役記者が解説

 

PRで一番大切なのは華やかさでも、人脈でもない。最後まで泥臭くあきらめない意地

PRの露出戦略を考案する女性

声を大にして言いたいのですが、リリースを作成して、送付する。
たったこれだけのことなのに、実は、やっていない企業経営者、広報担当者はものすごく多いのです。

「どうせ、リリースを送っても、その他大勢に埋もれて見てもらえないだろう」と思うのか、「もしかしたら、送ったリリースが目に留まるかもしれない。ダメモトでもなんでもいいから、とにかく送ってみよう」と思うのか。
この差は、天と地ほどあります。なぜなら、

ニュースリリースを送らなければ、メディアに紹介されることはないからです。

 

当たり前ですよね。「どうせ、見てもらえないから」と送らなければ、紹介される確率は0%。ゼロパーセントです。
よほど魅力的なコンテンツであれば、メディア側がどこかで知って取材依頼をしてくるかもしれませんが、そんな確率は運を頼りにするようなものです。

*今一番人気のコンテンツ!⇒「報道ステーション」元ディレクターが教える戦略的プレスリリース

 

1)リリースは捨てられるモノだという覚悟を持つべし

送っても、捨てられてしまう。
ある意味、それは事実です。

毎日、メディア各社には、ニュースリリースが大量に送られてきます。テレビなどでは、1日に1番組で100枚以上のリリースが届くこともあるのです。

でも、その中でも、目に留まるものは留まるのです。つまり、「もしかしたら、見てもらえるかもしれない」と送った時点で、メディアの人が読んでくれる確率は1%以上にはなる。

「うちはニュースリリースは送っているけれど、全然成果が出ないよ」と言う会社もあります。でも、その場合もよくよく聞くと、送り先はせいぜい10社程度で、それで「反応がない」「全然うまくいかない」「つかれた」とぼやいているわけです。

厳しいようですが、はっきり言います。
PRしたい、ヒットさせたい、ブームをつくりたい。

そう考えている企業経営者やマーケティング担当者は、セミナーに参加したり、書店でPRに関する本を買って勉強したり、リリースを送ったり、それぐらいの努力は誰しもがしていると考えたほうがいいでしょう。


10社、100社で反応があるほど甘くない。
でも、100社送れば、可能性は高まる。

 

2)広報担当は気持ちが重要。PRが好きで、メンタルがタフであること。

新しい案件についてPR活動を始めるとき、まず最初は、とにかく量で攻めるのが鉄則です。テレビでも、新聞でも、ネットニュースでも、とにかく、一つでも多くの媒体企画やテレビのコーナーを探し出して、目に留めてもらう。これが、第一歩です。

とはいえ、300、500ものメディアに送る必要はありません。多いに越したことはありませんが、マンパワーの問題もあります。PR専門会社に任せる場合や、広報スタッフが大勢いる大手の上場企業など、実行が難なく可能な場合はやってみてもいいでしょうが、そこまで無理をする必要はありません。

私は長年の経験から、“ある特定”の厳選したメディアに送れば、十分に効果が得られるとわかっています。
ほとんどの場合、この厳選したメディアに働きかけて、動かすことができれば、人も、世の中も、SNSも、連鎖的に動き出します。その数は、せいぜい100媒体程度です。

 

ニュースリリースってどんなもの?

では、改めて、ニュースリリースがどんなものか。それを説明するために、私が手がけた事例を使って説明していきます。

それは、東京・池袋にある真言宗豊山派の「金剛院」。2014年に境内にカフェ「なゆた」を併設しました。

ニュースリリースの中で、勝負どころは、冒頭の見出しにあたる3、4行の部分。タイトルの箇所です。
送られた側は、毎日数えきれないほど送られてくるニュースリリースに、いちいち丁寧に目を通していられません。だから、冒頭数行でいかに惹きつけることができるかが勝負になります。

ここでモノを言うのが、「8×3」の法則です。
「8×3」の法則のうち、「8」で自社の商品やサービスの強みになるキーワードを洗い出し、それが消費者視点になっているか「3」に照らし合わせていきました。

池袋の金剛院を「8×3」の「8」に当てはめると、「2 優位性」「3 意外性」「5 社会性」「8 地域性」などが当てはまります。

*参考記事:「8×3の法則」については【消費者が黙っていられない24つの情報をつくる!】をお読みください。

 

お寺の中にカフェがある。それ自体はそこまで目新しいわけではありませんが、
仏教、お寺、お坊さんはここ数年、さまざまな形でメディアに取り上げられ、僧侶の書いた本がベストセラーになったり、仏像や仏具に「萌える」現象が起きたりと、女性やビジネスパーソンらの関心が急速に広まっています。つまり、「社会性」の側面も持っています。

さらに、住職は近所づきあいや家族間のコミュニケーションが減っている昨今、お寺のカフェを利用して、地域の人たちどうし、お客さんどうしがリラックスしながら交流できる場になってほしいという想いもありました。こういう住職の想いは「6 社会的意義」の性質を持っています。

これらを加味したうえで、ニュースリリースの冒頭のキャッチコピーに落とし込んでいくわけですが、アピールできるキーワードからなる文章を羅列すると以下のようになります。

  • お寺の境内にカフェをつくった
  • お寺直営のカフェなので、住職がコーヒーを淹れたり、人生相談もできそう
  • 地域の人同士でコミュニケーションを深めてほしいという目的があ
  • 2014年5月24日(土)にオープン

 

これを、「8×3」のうち「3」、すなわち、消費者視点に立って考えてみます。
すると、一番知りたい、興味がある項目はどれかと考えると、「お寺の境内にカフェをつくった」ということでしょう。この情報が受け手に最も響く言い方を考えていくのです。

このとき、少なくとも「2014年5月24日(土)にオープン」という情報は、真っ先に飛びつくような項目ではありません。
むしろ、最低限必要な情報として、リリースのどこかに当然載っているはずだと、
誰もがわかっていることですから、冒頭に書かれていると、わざわざ勢いこんで知らせてくれなくてもいいのに、という内容です。

いつオープンする、いつ発売する、コーヒー一杯の価格はいくらである。
この「商品・サービスについて知らせるための最低限の情報」で見出しのキャッチコピーのほとんどを占めているニュースリリースは、
相当数ありますが、そういうリリースは素通りされてしまいます。

ニュースリリースは、その商品やサービスについてまったく知らない人に向けて、いかに興味を持たせるかが勝負です。

 

その視点で、どのキーワードを前面に出すべきか考えていきましょう。

すると、池袋にある金剛寺の場合、
「お寺にカフェができて、運が良ければお坊さんが人生相談にものってくれるかもしれない」という「優位性」の部分や、
「地域のコミュニケーションを深める目的の寺カフェ」という「社会性」を匂わせるがアピールポイントになります。

そこでできたキャッチコピーが先の2行なのです。
「お坊さんと一緒にコーヒーが楽しめる!」
「人々のご縁を結ぶコミュニティスペース」

 

この2行を特に強調することが、読んだ人が最も引っかかってくれるだろうと考え、目立つようにしました。

 

キャッチコピーの三方確認

とはいえ、いざ自分で作ってみようとすると、「8×3」からすんなりキャッチコピーに落とし込めないという人は少なくないでしょう。
ここは日々の訓練と慣れによるところも大きいことは否めません。
どんなに優秀なコピーライターでも、突然うまくなったわけではないのです。

そこでご紹介したいのが、できあがったキャッチコピーが目を引くものであるかどうかを客観的に判断できる方法です。
それは、「登場感があるか」「なぜ今なのか」「メッセージ性があるか」という三つの視点で自分がつくったキャッチコピーを見直していく方法です。ひとつずつ、詳しく説明していきます。

 

(1)登場感があるか

「ついに、登場しました!」という印象がキャッチコピーに表れていると滲むとインパクトに直結します。
見たほうが「待ってました!」「すごい! こういうのが欲しかったの!」と思わず言いたくなるような表現です。

この商品やサービスは、どうも存在感が違う、なにか気になる、つい話題にしたくなる。
そうした登場感を、メディアや消費者が最初に目にするタイミングで演出することが、PRではキモになってきます。
ただし、演出といっても、事実ではない情報を意図的に加えたり、消費者を間違った方向に誘導することではありませんので、そこは注意してください。

ひとつ、具体例を紹介しましょう。

2013年4月1日にリリースされた、はなまるうどんの「まるごとダイオウイカ天」。
これは、同年1月に放映され16・8%という高視聴率で話題になった「NHKスペシャル 世界初撮影! 深海の超巨大イカ」を受けての同社のエイプリルフール企画です。つまり、事実ではないのですが、このときの同社ウェブサイトの冒頭キャッチコピーは、このようなものでした。

栄養満点! タウリン500万㎎!健康になりたいあなたに朗報!ダイオウイカ天新登場! 中87,000円

ダイオウイカ天新登場

 

このコピーをダイオウイカの天ぷら(実際は別のイカのはずです)の写真と、サイズ感を伝えるために、うどんをよそった丼を手にした人物とともにトップに置いたのです。

4月1日、日が変わると同時にこの商品紹介サイトをオープン。当日の同社サイトへのアクセス数は通常の24倍になったそうです。
これは、実は同社が毎春おこなっている来店促進キャンペーンで、
本当に訴求したいことは「健康保険割引」など、企業として消費者の健康促進に積極的に取り組んでいるということだったそうです。

この事例は、禁断のウソの演出をエイプリルフールを使って笑いへと強力なPRに変えています。
そして、ダイオウイカという「トレンド性」にのっかりつつ、「タウリン500万㎎!」と栄養ドリンクのような男性陣の心に刺さるコピーを入れています。

消費者は、「ついにダイオウイカを捕獲して天ぷらにしちゃったのか!」「待ってました、ダイオウイカ、食べてみたかった!」。さらには「はなまるうどん、ついにやってくれたね、この大ぼら吹き!」と、さまざまな登場感を感じたことでしょう。

これはこれで、とても極端な例です。
ですが、登場感とはどういうものかがわかっていただけたのではないでしょうか。
訴求したいことが一目で感じ取れる「登場感」を使ったキャッチコピーもいいのですが、このように、「いったい、何事?」「どんな商品なんだ?」と思わせるような演出も、ニュースリリース全体を読んでもらうことにもつながり、とても効果的です。やや上級ではありますが……。

登場感を強調すると、今、話題になっている、これからブームが来そうという“空気感”が作られるので、「私も買わなきゃ」「一度は体験してみたい!」という消費者の気持ちを喚起させやすいともいえます。

 

(2)なぜ、今なのか

どんなメディアも、「旬な情報」をイチ早くキャッチしてニュースにしたいと考えています。
だからこそ、PRする側は、「なぜ、今、この商品やサービスを世の中に出すのか」を明確にアピールすることが重要です。

とくに、メディアは「まさに、いま!」という旬の情報取材したいと望んでいます。
なかでも、その傾向が顕著なのがテレビです。

テレビは、視聴率がすべてですから、視聴者に少しでも飽きられれば、番組の途中であってもすぐにチャンネルを替えられてしまいます。
ですから、私が放送作家時代から、テレビ番組の構成会議では、毎週、自分たちの局の番組と同じ時間帯に放映されているすべての他社番組の視聴率表が配られます。

さらに、1分単位での、視聴率グラフも共有されます。
つまり、一つの番組の中で、自分が担当したコーナーや特集が、どのぐらいの視聴率を稼いだのか、むしろ足を引っ張ったのかが毎回チェックされて発表されるのです。

だから、できる限り視聴者を離したくない。
そのために、春なら花粉、夏ならダイエット、秋なら紅葉など、なるべく誰もが知りたい、今が旬の情報を集めて、伝えたがるのです。

こうしたことからも、「なぜ今か?」を考えるうえでは、今、旬になっているテーマに絡めるのは有効です。
一例を挙げれば、少子化問題、女性の社会進出、AI、ドローン、家庭用ロボットなど……。

東京オリンピックがあれば、それとAIを絡めてみる。
ある新型ロボットのPRのさいに、「2020年は東京オリンピック! 約5000万人増加すると予想される外国人観光客の通訳として、カンタンな英会話もできちゃう新型ロボット登場」としてみただけで、
「今だからこそ、このロボットが必要なんだ」という印象を与えることができるのです。

これが、テレビというメディアのツボを押さえて、そこからうまく広めるコツです。

 

(3)メッセージ性はあるか

メッセージ性とは、よりSNSを含めたメディアにアピールするため、世の中に訴えたいこと、伝えたい背景などを、明確にすることです。

たとえば、猫の島を知っていますか。日本には、野良猫がたくさんいるエリアがいくつもあります。
特に有名なのが、瀬戸内海に浮かぶ青島です。島民15人に対し、猫100匹と言われるほど、猫だらけの島。
これが、外国人の間でSNSを通じて瞬く間に広がり、外国人観光客にとって一度は訪れたい世界の島の一つに挙がるほどになったのです。

島は過疎化が進んでいます。「猫がたくさんいる」ことをアピールすることは、同時に、猫たちと共存していこうとする島民の想いも伝えることになります。
こうしたメッセージ性が、さらに人々の共感を生み、SNS上に広がっていったのです。

テレビ取材をするカメラスタッフ

 

うまくいかなければ、やり直せばいいだけ

以上が、プレスリリースを強くする、シンプルなキャッチコピーの作り方です。
必ずしも、これら三つの視点すべてを網羅する必要はありませんが、いずれかの視点から強調したキャッチコピーは、受け取る側に強い印象を残し、人を動かすきっかけとなるはずです。

ニュースリリースを送ってみたものの思うような反応が得られないと、「ダメだった」とそこで諦めてしまう人も少なくないのですが、
一度うまくいかなかったからと言って落ち込む必要はまったくありません。

何度も言いますが、PRは広告と違い、少ない費用でトライできる分、いくらでもやり直しがきくのです。
一度投げた球が失敗だと感じたら、「8×3」の法則にもう一度立ち返って、新たな視点でアピールできないか考えればいいだけです。

 

最強のPRは、1つに情報企画、2つに泥臭さ、3つにあきらめない

先に紹介した東京・池袋にある「金剛院」は、最初に私がPRお依頼をいただいた2013年当時、まだカフェすらありませんでした。

その頃から、住職の野々部利弘さんは、地域住民の憩いの場を提供したいと望んでいたものの、ヒアリングして、かろうじてPRできそうだと思ったのは、お寺で毎年開催している夏祭りと、正月三が日におこなわれる普段は見られない秘仏「三面大黒天」のご開帳のみでした。

それらもとに作成したリリースの見出し部分はこれです。

<夏>
年代を超えて地域の「人と人」が結びつく
『金剛院赤門夜市』を開催致します!
2013年7月28日(日)午後3時~午後9時まで。
<冬>
真言宗豊山派金剛院(東京都豊島区)秘仏「三面大黒天」ご開帳
年に3日間だけの一般拝観
ご開帳日…1月1日、2日、3日

金剛院の取材要素

夏の「金剛院赤門夜市」にしても、冬の「三面大黒天」にしても、「8×3」のうち「8 地域性」を前面に出してニュースリリースを作成しました。

 

「畳み掛けPR」で欲張れ!

しかしながら、金剛院は、その後、カフェに特化したPRに転向します。
「お坊さんと一緒にコーヒーが楽しめる!」「人々のご縁を結ぶコミュニティスペース」というキャッチコピーでニュースリリースを作成したところ、たくさんのネットのニュースや新聞で取り上げられました。

なかでも、「近年深刻化する少子高齢化、単身時代にあるべきお寺の姿を考えてカフェをつくった」という「社会性」につながる部分は、「日本経済新聞」や「AERA」、「東京新聞」の「心にふれる話」というコーナーで、「ご縁結ぶこの一杯」として紹介されるなど、予想以上の反響がありました。

また、FM西東京とのコラボレーション協業により、カフェ内から発信するラジオの新番組「なゆたラジオ」放送も実現しました。
カフェで定期的に公開収録もおこない、住職自信も登場して、カフェへの想いを発信することができたのです。ここまででPRとしては成功といえますが、着実に注目度が伸びていく様子を見ながら、もうひと押しすればさらなるブレイクスルーが期待できる、と確信しました。

そこで「畳み掛けPR」をすることにしました。
考えたのが、外国人にも人気のお寺だということをPRに盛り込む試みです。

「観光地として有名とはいえない、日本人の日常生活と近いところにある地域に根ざしたお寺なのに、なぜか来日客が押し寄せている」となれば、「なぜだろう?」と感じるものです。
実際に、池袋という都心でアクセスしやすいからか、オープンしたカフェには外国人観光客がひっきりなしに訪れていました。

当時、すでに、「外国人」「来日客」「インバウンド消費」というキーワードを、テレビや新聞で目にする機会が多かったのも理由です。

中でも、2020年に東京オリンピックの開催が決定すると、一層、ニュースで海外からの観光客についての話題が絶えなくなりました。
オリンピックが開催されれば、当然のことながら、更に多くの外国人が日本にやってきます。
外国人の多くは、日本のお寺に強い興味を持っています。
同時に、若い女性たちが明治神宮や東京大神宮など都内のパワースポットを訪れているニュースもたびたび目にしていました。

「なぜ、今なのか」を明確にして、こうした世の中の動きやブームにうまく合わせると、PRもうまくいく可能性が高まります。
今回の例では、たとえばこんなふうにPRしました。

 

外国人が集まる新・パワースポットで大成功

TV露出事例

「外国人」「パワースポット」というキーワードを入れることで、これまでよりもさらに池袋の金剛院のカフェが「旬なスポット」だということをメディアに対して演出できます。

これが大きな反響を呼び、「日本経済新聞」「女性自身」、テレビではTBSの「あさチャン」、テレビ朝日「グッド!モーニング」など20番組以上に立て続けに紹介され、金剛院の名は一気に知られるところとなりました。

同じお寺のカフェを宣伝しているのに、視点を変えて情報を加工しなおすだけでイメージががらりと変わることがわかると思います。
少し装飾をつけて、こんなふうに紹介してもいいかもしれません。

京都にまでいかなくてもOK!
今すぐ外国人に紹介したい、東京の新パワースポットカフェ

 

外国人というキーワードを使うことによって、来日外国人のお客さんが増える可能性も高まり、その盛り上がりをコンテンツとすることでメディアやSNSに、さらなる情報を拡散できたのです。

WEB露出事例

 

どんなメディアに、どう訴える?

さて、このように、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、ネットの各ニュースに、一気に情報が広まるとき、下記のような流れでPRが広がっていくケースがほとんどです。

◆ネットの各ニュースに、ニュースリリースで流した情報が載る。

◆新聞などが掲載する
◆引き続き、ネットの各ニュースへの掲載が増える。
◆Instagram、Facebook、TwitterなどのSNSでも、ネットのニュースが引用されたり、個々が商品やサービスそのものを紹介しはじめる

◆テレビで放映される
◆さらに、ネットニュース、SNSなどで拡散される

 

ネットのニュースサイトで紹介され、同時にSNSでも拡散が始まり、新聞や雑誌なども動き出す。こんな流れができてこれば、いい兆候です。たいていの場合、テレビで紹介されるとしても、順番としては最後のほうです。ほかの媒体で紹介されたあと、“タイミング”が合えば紹介されるということがほとんどです。では最後に、それぞれの特徴や、ポイントについて解説していきましょう。

 

1)ネットニュース

ニュースリリースを配信し、その情報を最初に目に留めて動いてくれるのは、ネットのニュースサイトです。
情報提供の速さからすると、新聞やテレビよりもはるかにスピーディーで、ニュースリリースを送った当日に掲載されることもあります。

たとえば、誰か著名人が記者会見を開いた場合に、会見終了直後にはさまざまなニュースサイトで一気に取り上げられるほどリアルタイムを重視しているのがわかります。露出を高めることがPRの最初の重要課題ですから、その意味では、まずは数多くのネットニュースが取り上げてくれたら、第一関門突破です。

また、ネットニュースに取り上げられると、テレビ関係者の目にも留まりやすくなります。
テレビ局のディレクターや、制作会社の担当者などは、番組で取り上げるネタがないか、いつもネットで検索して情報収集することが多いからです。

私が放送作家の頃は、新聞や週刊誌からネタを探していました。しかし、今は、それがネット検索に変わっているのです。
その意味でも、ネットやSNSでの情報拡散を目指すのは、とても大切なことなのです。

「ネットニュース」はいくつかの種類に分けることできます。わかりやすくまとめましたので、参考にしてみてください。

 

2)一次情報

一次情報誌と戸は、「マイナビニュース」や「BIGLOBEニュース」をはじめ、送ったニュースリリースをもとに、編集して記事にしてくれるサイトです。

そのサイトを運営する会社の編集者や、外部委託している記者やライターなどが、記事を編集するため、記事の最後に担当者の署名が記されている場合もあります。
これらは、一次情報になるネットニュースサイトです。

ネットニュースサイト

3)キュレーションサイト

この一次情報の膨大なニュースの中から、特におもしろいニュースをピックアップして紹介しているウェブサイトがあります。たとえば「Yahoo! JAPAN」です。

「Yahoo! JAPAN」は、ゼロから記事を製作しているわけではなく、数あるニュースサイトからピックアップした選りすぐりの記事を紹介する、「キュレーションサイト」と呼ばれるサイトです。言わずもがな「Yahoo! JAPAN」は日本最大級の閲覧数を誇るキュレーションサイトですから、その影響力は、今や新聞やテレビよりも大きいとさえ言われます。

それを、PR業界では「Yahoo砲」と呼んだりします。
トップページの見出しニュース記事にピックアップされたら、瞬く間にSNSで拡散されたり、口コミで一気に広まることも少なくありません。

女性に圧倒的に人気が高いのは、グノシーやAntennaでしょうか。中でも10代、20代の若い女性たちはスマートフォンで、ちょっとしたスキマ時間に情報を収集したり、トレンドを拾ったりしています。

さらに、気になる情報や気に入った記事があるとすぐさまSNSを使って、周りの友人にシェアをする。
そのスピードがとても速いので、短期間でどんどん広がっていく可能性があるのです。

 

まとめ

さらに一次メディアサイトやキュレーションサイトのいいところは、いったんどこかのキュレーションサイトに掲載されると、ほかのニュースサイトなどにも拡散される可能性が高まること。
一人でも多くの人の目に触れる可能性を高めるのは、PRの基本です。
一つのネットニュースからほかのニュースへと連鎖的に転載されていけば、その分、多くの人に読んでもらえるわけです。

こうした観点からも、ネットニュースは、PRをする側にとって必要不可欠な、ありがたい存在なのです。

*こちらも参考になるかも⇒プレスリリースのメリットデメリットとは?


執筆者・監修者
上岡正明
テレビコメンテーター・経済記者
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事