固定概念にとらわれないPR
コラム
経営戦略×PR
2016.10.03

固定概念にとらわれないPR

あっという間に今年も残り3ヶ月を切りましたね。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日は「固定概念にとらわれないPR」をテーマにしたいと思います。

最近、様々な企業で異色のコラボや、これまでに行われなかった取り組みなどがヒットし、新たなターゲット層の開拓に成功している事例がニュースで連日話題になっています。

その中の一つで、最近私が気になっているのが、サンリオです。

サンリオと言えば、ハローキティ、マイメロディ等、女児や女性向けの可愛いキャラクターを真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。

そのサンリオで、最近話題になっているのが、異色の作品「SHOW BY ROCK!!」です。

これまでのサンリオのキャラクターにはない、アキバ系、萌え系の要素をふんだんに取り入れた美少女、イケメンの人型キャラが多数登場し、各キャラクターがロックバンドを結成し、音楽界の頂点を目指す、という作品です。

サンリオと言えば、冒頭で記述した通り、ハローキティ等の等身の低い可愛らしいキャラクターが多かったので、

私自身
「え?これサンリオのキャラクターなのか?!」と
内心驚きました。

元はと言えば、スマホの音楽ゲームからスタートしており、
これをきっかけにこれまでのサンリオ系作品とはあまり縁のなかった、アキバ系アニメファンの男性、女性、そして音楽ファンからの多くの反響を呼んでいます。

さらには新宿マルイアネックスのイベントフロアで上記のゲームアプリをテーマにした期間限定ショップがオープンし、客層は中学生の男女、女子高生、大学生カップル、40代の主婦など、様々なターゲット層が多数来店し、皆それぞれお目当てのキャラクターグッズを買い集めていました。

特にサンリオ側がPRに力を入れていたのが、これまでにサンリオにはあまりなじみのない男性を取り込むための施策でした。

一般的なサンリオのキャラクターは、サンリオショップが販売促進の場となっており、グッズ販売を通して、来店客にジワジワと浸透させていく、というビジネスモデルでした。

しかし、普段サンリオショップに来店しない大人の男性達を従来のやり方で認知度を高めるのは難しいと判断し、
まずはソーシャルゲームを通じてキャラクターの露出を狙い、それをきっかけにファンの拡大、およびショップの認知度を上げる、
という作戦だったようです。

もちろん、サンリオ側はサンリオのコアファンである女児、女性達にも親しみやすくすることを念頭に置き、

SHOW BY ROCK!!の作品中に、これまでのサンリオで馴染みの深い等身の低いキャラクターも登場させるなどの工夫もしています。

この一連の流れを見て、
私が重要だと感じたポイントは、

”既存のファンも大切にしつつ、
敢えて「らしくなさ」にチャレンジすること”です。

業界、業種問わず常に新しいことにチャレンジしないと、
新たなターゲット層は一向に広がらず、サービス内容も固定化され、やがて時代に取り残されていくことでしょう。

我々PR業界も同様です。
特にメディアは改変、異動などが日常茶飯事で起こる業界。

常に最新の動向をリサーチし、新規メディア開拓施策を生み出すための、日々の努力を継続する必要があると思います。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事