生姜部設立で話題を提供 永谷園「冷え知らず」さんの生姜シリーズ
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2019.01.24

生姜部設立で話題を提供 永谷園「冷え知らず」さんの生姜シリーズ

2007年当時の冷えにきく商品は、生姜湯くらいしか存在しなかった。

そこに着目した永谷園が、冷えに苦しむ女性をターゲットに冷え性を改善するという新しい価値を提案した。永谷園にとっては未開拓の20から30代の女性をターゲットとし、関心のない女性はいない「美容のサポート」をコンセプトに設定。わかりやすさを突き詰めた商品名やパッケージデザインになっている。

2007年の夏に男性客の多いCVS限定で女性向けに商品を提供した。
カップスープと即席味噌汁4品を導入。オフィスで働く女性が悩む夏冷えに着目したことで注目され、また、冷えとは一見関連のなさそうな夏に販売を開始したことも話題を集める要因になった。この取り組みから健康志向を高めた男性からの支持も得てきた。

同年11月に全国展開。その結果、ほぼチャンネル限定だったにもかかわらず、初年度売り上げは、4億円となった。

2008年9月には全国量販店へと展開。11月に新たなジャンルに進出するため、ホット飲料生姜チャイ発売。幅広く品揃えしてドラッグストアへの展開も着実に進行。売り上げは前期比倍増に達する。

なにより話題を集めたのが生姜部の設立だ。生姜部を設立しショウガについてあらゆる角度から取り組もうという決意を「生姜宣言」として発表した。生姜栽培、生姜メニュー提案、ブログ、生姜食べ歩き、本出版などを部活として活動し、活動や部員の様子をブログで更新して一般に公開。

この新しい形の取り組みが各メディアにも注目され、幅広い媒体へ露出度を高めた。また、他社とコラボしてたくさんの商品を発売。日本医学部と共同研究をし、「生姜摂取によるエネルギー消費量亢進」も明らかにした。

PRのポイント
生姜部設立や他社とのコラボ、チャンネルを限定したり、冷え関連の商品を夏に発売など、他社と差別化をはっきりさせた新しい取り組みが、大きな話題を生むことに成功した。

執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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