地方PRにみる成功のポイント
コラム
経営戦略×PR
2015.02.02

地方PRにみる成功のポイント

早い物で1月ももう終わりですね。
そして今日は雪。寒いですね〜こんな寒い日は温かいうどんを食べたくなりますね。

最近いろいろな企業もさることながら地方自治体からも
相談頂く事が増えてきました。

地方と言えば、地方PRで先駆けになった「香川県」
そう。私が高校まで育った香川県です。

皆様もご存知の「うどん県」ですね。
香川県民のソールフード「うどん」。

香川県出身の俳優を議員に見立てた斬新な記者会見をおこなった「うどん県」から4年。
昨年、香川県を訪れた県外観光客数は9,177千人となり、対前年比3.2%の増加となり
今では、全国に浸透し、県内のタクシー会社がこぞっておすすめうどんツアーを行い、
県をあげてのプロジェクトとして成功と言えるのではないかな。
本州からの窓口である高松駅では「うどん県パスポート」ももらえる。

この香川県PRを見てみると「うどん」、「パスポート」という
二つのキーワードが浮かんでくる。

実はこれ、昔から香川県民が四国以外の県の人にずっと言われてきた事。

「四国ってパスポートいるよな?」
「香川?どこだっけ?あ〜うどんね」

ずっと言われていた皮肉?をそのままリアルにしてしまったのである。

もちろん、香川出身の有名映画監督が作った映画が火付け役になっているが
お遍路でも、オリーブでも、源平合戦でもなく、最大の強みをうまく活かし、
県全体に浸透させ、全国にも浸透させていったのである。

相談を受ける時、1年でと言われる事もあるが、やはり”浸透”させる事を考えるとかなり難しい。
長期的なプランが必要である。

香川も、「うどん県」だけで成功できる訳もなく、
次の手として「うどん県。それだけじゃない香川県」として
うどん以外の強みの訴求を行っている。
しかし、今流行のゆるキャラでみてみると、
「オリーブしまちゃん」、「さかいでまろ」など
色々でているもののぱっとしていない。
徹底的にうどん推しなのである。

ここでのポイントは、最大の”強み”(うどん)を活用したストーリーが描けている事。
そして、”認知”の土台に積み重ねられたスピンオフが、リアルと融合している事。
もちろん、これまで書いてきた”共有”ができるコンテンツ(ゆるキャラや観光名所)も随所にちりばめられている。

うどんを食べに香川に行ったら、オリーブもいいのがあって、瀬戸内のお魚美味しくて、
自然が一杯で、見所もたくさんあって楽しい香川県

という人々の”体験の流れ”と”ストーリ作り”が実に”うまく融合している”のである。

他の県を見てみると、もちろんストーリーを作った上で、自虐的な県PR、ゆるキャラ、B級グルメなど、
様々な手法でPRを行っているが、”浸透”で考えるとまだまだ時間がかかる。

地方も、企業も、商品PRも根幹は同じ
いかに柱(強み)にそったストーリー展開が作れるかと言う点が重要であとは、
県全体でそれを貫き通す”実行力”と”忍耐力”が必要ではないかな。

ということで、今日はうどん食べて寝ます。

では風邪を引かないようご自愛ください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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